住信為替ニュース
日本の連休中に起こったアメリカでの金融市場の取り組みを図式化すると、以下のようになる。
『〈インフレ懸念を高める市場〉 VS 〈沈静化にやっきのFED〉』
マーケットがインフレ懸念を高め、米債を売り(指標30年債で7.10%前後まで)、株価を押し下げ、よってドルの地合も弱くした背景は次の通りです。
この結果、市場では「5月21日の次回FOMCにも、利上げか」という観測も出ている。先進国の中で、金利上昇懸念が出ているのは、日米です。欧州は依然として利下げモード。
《 NO,WE ARE HITTING THE SWEET SPOT =FED
》
これに対し、FEDの沈静化工作を登場人物と主要発言で取り上げると以下の通りです。
Ed Boehne(フィラデルフィア連銀総裁、FOMCメンバー)
Susan Phillips (連邦準備制度理事会理事)
Edward Kelly(連邦準備制度理事会理事)
引用が多くなりましたが、色々な人物を当局サイドは登場させて、「インフレ懸念の沈静化」を図っている。ポイントは以下の通りです。
《 CAN YOU BUY FED'S
ARGUMENTS 》
恐らく議論としては、FEDの理事たちが指摘するポイントが正しいのでしょう。物価統計を見れば、本格的なインフレの気配は見られない。冷戦後に大量の市場経済参加国・人口が増えた世界経済の構造変化、それに物価を著しく下げる方向で強い力を発揮してきた技術革新を考えても、この議論は正しいように見える。(ただしこれらファクターの物価引き下げ効果が、今までは順調に進んできたものの、規制や社会慣習のブロックにあって一時的に停滞している可能性はあります。引き下げは障害のないところから進んだ)
原材料の価格が急上昇しても、それが最終製品の価格にはねるのはごくわずかですし、代表的な商品価格指数と言われるCRBやKR指数にしても、採用品目の偏りがあってそれほど信頼できない面がある。何よりも、最大のインフレ指標と言われる貴金属の相場は落ち着いている。
ただし、経済的に正しいと思われる議論を、直ちに相場戦略的に受容できるかと言えば、それはしばしば「no」です。投資の資金には必ず「期間損益」と「損失の限界」(ロスカット)がある。エコノミストの意見は、「止まった時計」(それでも、一日に必ず2度は正確な時間を印す)でも良いが、相場に携わる人間は、ディーリングだったら秒針を、少し長めだったら分針を、長期投資でも時針を市場の動きに沿って動かさねばなりませんから。
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FEDの当局者の発言を総合すると、少なくとも5月21日の次回FOMCでは「利上げ」はないように見える。
しかし、市場の一部ではあまりにも景気が強いので、「利上げ観測」はくすぶり続けそうです。指標的にも、例えば先週末に発表された雇用統計は、非農業部門就業者数でわずか2000人の増加で、表面的には安心できる数字でしたが、中身は季節調整ファクターが大きく、市場の懸念を払拭するには至らなかった。それにしても、わずか2ヶ月前には「リセッション」の声が聞かれ、金利も「短期で4%、長期で5%」もといわれていたアメリカ経済の力強い回復の原動力がどこにあるかは要チェックです。
為替相場について言うと、Kellyが言っているとおり、インフレ懸念が米市場で出れば出るほど、米通貨当局としてはドルの下げを容認できなくなります。ドルの下げは、輸入物価を押し上げて、インフレ懸念を高める。その意味では依然として、日米独の対為替市場政策は「強く、健全なドル」の維持で一致している。
《 MART WILL BE NERVOUS 》
今週の市場では、物価という点では週末の米4月の卸売物価が重要です。小さい数字が出れば、市場のインフレ懸念はかなり沈静化する。
それにしても、アメリカ政府が出す経済指標はどれもかなりダイナミックです。逆に、数字を予想するために雇われているアナリストと言われている連中は何をしているんだろうと思ってしまう。それこそ外しまくり。日本の競馬予想屋の中には、「外れ」を売っている人間もいますが、彼らはそれでは「売り」にならないでしょう。negative
indicatorにしても、上下あってどっちかはっきりして欲しい。
アメリカの指標について言えばいわゆる「コンセンサス」なんてのは、「ああそこはないんだ」と思った方が良い数字になりつつある。コンピューターも発達し、数字は集まっている筈なのに....
日本で言えば、月例経済報告が注目です。円金利の上昇ペースは速い。しかし、考えて見れば、0.46%の無担コールレートが0.75%に上がっても、この短期金利が世界で例を見ない「低金利」であることには変わりはない。「避難訓練」はもう何回もやりましたし、日銀としては指標の状態を見て、チャンスを狙うことになるでしょう。残る懸念は、本当に日本経済の足腰は強いのかという問題点と、アメリカの金利に上昇圧力がかかっているときに、日本の金利を本当に上げて世界経済への影響は、という点。今週も日米ともに市場では思惑が飛び交う展開になりそうです。
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あと、今週火、水に開かれる米国債入札がどのような結果になるか、日本勢の応札具合はどうかが注目です。先週までの金利上昇で、米国内投資家がどのように投資戦略を変えてくるか、また日本の機関投資家の対外投資意欲の強さを知ることができる。
《 HAVE A NICE WEEK 》
連休はどのように過ごされましたか。昨日あまりに寒くて、風邪をひきそうになった人も多かったのでは。連休中は日本全国で延べ6000万人が出かけたとのこと。私も車を450キロくらい動かす移動をしましたが、確かに結構混んでいた。中央高速で早朝(5月5日)3時に渋滞にぶち当たったのははじめてでした。
家にいて、「周囲をうろうろ」で過ごした人も多かったようです。私も収録など有り基本的にはこれ。連休は日頃できないことがまとめてできる。コンピューターをいじっていた人も多かったようです。「HARD
DISKを増設しました」と報告してくる奴、「秀タームが動かない」(これは電話で)と相談してくる奴、インターネットを始めたいのですがという質問2件。私の電子メールADDRESS
は結構「相談所」のようになってきました。ま、いいか。私も始めた頃は、聞きまくった。今でも分からないこと山ほど。そうそう、ウォール・ストリート・ジャーナル(テレレート)のインターネット上のページが以前お知らせした時から変わりました。
為替、債券市場、商品の順で
http://interactive2.wsj.com/edition/current/articles/SB831132157787024500.htm
http://interactive.wsj.com/edition/current/articles/CreditMarkets.htm
http://interactive.wsj.com/edition/current/articles/Commodities.htm
と長くなった。無論、入り口ではsign
inが最初だけですが、必要です。二番目の今日の記事のリンク先には、米金利の先行きに関する「Growth
and spending keep pressure on treasury yields」という結構まとまった記事がある。
WSJは7月末までは従来通りただ(FREE)。その後は、年間49ドルいただきたい、と書いてありました。どうしようかな。それと橋本総理大臣になってから、日本の首相官邸のホームページも大きく変わりました。各サイトとも結構工夫を凝らしている。私のホームページは鋭意制作中。もうしばらくお待ちください。結構やることが多いのです。今デジカメで、写真の処理を練習しています。写真もデジタルになると、ワザが使えそう。
連休中に本数は忘れましたが、結構ビデオ、映画のたぐいを見ましたが、その中では「北京好日」が面白かった。「自分がいなければ....」と肩に力が入っている人にお勧め。私などとっくに「世の中勝手に動くものだ」と悟っているのですが、「好日」に出てくるような人物は結構居る。必要な人物だが、結構けむたい。
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最後になりましたが、長らくカスマター・ディーラーとして活躍してくれた上島君がインターバンクに変わりました。今までの彼に対するご支援有り難うございました。直接的には顧客担当からは外れますが、同じ為替の世界。お客様と縁は切れないと思います。上島君と入れ替わりでロサンゼルスから斉藤君が帰ってきました。慶応のアナウンス部出身。喋らせると止まらない。それからニューヨークには、立花君が赴任しました。今まで東京でドル・円のアシスタント・ディーラーでした。ニューヨークの皆様には宜しく。
良い季節ですね。一年で一番「外」が気持ちよい。できるだけ、外で過ごしたい物です。それでは、皆様には良い一週間をお過ごしください。
(その後再びWSJのURLが変更になり、リンク先は今回そちらの方にしてあります)