98年11月28〜30日(土〜月曜日)  全く予定になかったのですが、土曜日に大阪に行き以前一緒に仕事をしていた会社の同僚の見舞いをしてきました。今年の秋に香港で検査したら判明。急遽帰国して大阪の病院に入院したもの。病院の中を一緒に歩いたりして、体調は別にして気力は充実していて安心しました。

 お見舞いには、北京で買った「元気玉」2個と落語のCD2枚を献上しました。病人には笑いが必要だという私の信念(?)に基づくものです。いろいろな統計がある。もう医者もあきらめた患者が毎日お笑いのレコードを聴いた。げらげら笑っていた。そしたら、その病気が治ってしまったと。

 特に神経性の病気には笑いは一番です。何か物理的に疾患が有るというのならその治癒を直さねばなりませんが、精神にかかわる病気だったら「笑い」で体を reboot (再起動)することで、治癒の力が働く。まあ、景気もそうです。笑いが経済を再起動させる。改革も笑いながらやれば進む。今の日本は電車に乗ってもそうですが、笑いが足らないと思います。ははは、病人の話から突然景気の話になってしまいましたが。

 見舞いが終わった後は日曜日は京都を散策しました。今月は月初にも京都に来ましたが、その時はまだ紅葉は始まってもいなかった。やっとここで良くなっている。嵯峨野を軽く散策。「嵯峨野」と言えば、湯豆腐もそういう名前の店で頂きました。美味しかった。「順正」でがっかりしているので、今度のは環境も良かったし落ち着きもあって。大きな店なのです。値段は3000円をちょっと上回ったあたり。基本的に精進料理ですから、腹にもたまりません。京都の湯豆腐では、「嵯峨野」はお勧めですね。


98年11月27日(金曜日)

 ははは、昼飯に西麻布の香港ガーデンに行ったら、圧倒されましたね。すさまじい女性の数に。大きなレストランですから一杯人が入るのですが、その90%は女性。お若い方々から、お年を召した方まで。たまに男性がいても、明らかに相方の女性に連れてこられた....という感じ。「今日は金曜日でちょっと多い」(店の人)らしいのですが、それにしてもパワーを感じました。ははは、男二人で食事をしていたのは我々だけでした。

 平日の昼間に「飲茶」をやっている店は確かに少ない。だから店が流行るのには理由がある。味もまあまあです。でも、値段もまあまあなんです。それをものともせず押し寄せるこのパワー。デパートも階数の70%は女性モノになっていますし、となると男はどこで食事をし、どこで買い物をしているんでしょうか。郊外店。この香港ガーデンは、夜も4000円で食べ放題の飲茶をやっているそうです。うーん、女性にもてる一つのこつは、「デザート食べ放題」かもしれない。人気のある店はちゃんとあるんです。ただ私はこの店には、もうちょっとの味上げを希望するのですが。


98年11月26日(木曜日)

 4時間強しかいませんでしたが、やはり仙台は寒い。東京より4〜5度低いのではないでしょうか。晴れているんです。ですから日差しはある。しかし、空気が冷たいのです。駅を降りると、空気にちょっとですが冬のあのささる感じがする。真っ昼間で。夕方には、帰京しました。まあ、珍しく日帰りの出張というわけです。

 会場に行く途中にメリル・リンチの支店があった。興味があったので、立ち寄ってみました。12時直前の早い時間だったからかもしれませんが、入って一瞬立ちすくんでしまいました。受付の女性が一人だけで、あとはお客さんは見る限り誰もいない。店内の作りは綺麗なんですが。他の人に聞いても、いつもあまりお客さんがいるという感じはしないという。まあ、苦労されているんでしょう。メリルさんも。ボードもないし、受付の女性が手持ちぶさたそうでした。

 メリル・リンチは「2年は頑張る」と言っているらしい。異なった営業スタイルを定着させるのはなかなか大変なのです。私たちの講演会会場(ホテルでした)の二つ隣でメリルが同じような講演会を行っていた。お客さんの数はこちらの方が多かったのですが、メリルさんの方にも、聴衆はかなり来ていたようです。資産運用に関する関心は高い。

 資産運用といえば、私のあとで講演した大和証券の方が面白い計算を披露していました。税金などを考えないと、7%の利子の時は預け金は複利計算で10年で倍になるのだそうです。5%では14年くらい。では、1%、0.5%ではどうなるか。計算したら

  1. 1%で預金したら倍になるのには70年
  2. 0.5%だったら139年かかる
 のだそうです。これは私の計算ではないので正確かどうか知りませんが、金利生活者は大変だというのが分かる。ただしデフレということは、元本の通貨価値は上がっていて元本を使って減少させても、購買力は落ちていないという事態があるわけです。

、  それはそうと、タクシーの運転手によると仙台では年末を控えてこの時期にたたむ店が増えているという。その理由は、年末・年始を過ぎて売りに出すとろくな買い手が現れないから。つまり、高いうちに店を売ってしまおうという向きが多いのだそうです。東京には景気が悪いと言ってもまだ明るいスポットや店が数多くある。地方はどこに行ってもなかなか大変そうです。
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 AOLによるネットスケープ買収に関して、一番素早い動きを示しているのはマイクロソフトです。「一夜にして業界の競争地図は変わった。当社に対する独禁法訴訟は取り下げとなってしかるべきだ...」と言っている。実際に業界地図が一夜にして変わったまだわからないし、また一端提訴した当局サイドにも立場がありますからこの要請を直ちに入れることはないでしょう。しかし、マイクロソフトの言い分には一理ある。

 米司法当局が起こした独禁法訴訟で言うと、コンピューター業界対象では「対IBM」が一番大きかったのですが、これは10数年という時間をかけながら訴訟維持がはかられたものの、最後は「環境変化で、訴訟の意味がない」ということで取り下げになった(と思う)。つまり、マイクロソフトに対する訴訟も実際にある程度時間が立つと、「市場における競争条件確保の目的からは意味がない」ということになりそう。むろん過去にパッケージ販売を強要したとか、そういう過去の問題の実体は明らかにしなければなりませんが。

 では米司法省によるマイクロソフトに対する訴訟が意味がないかといえば、そうは思いません。司法省の対IBM訴訟は双方に大変なコストを強いましたが、それによって業界の窓が大きく空いたことは確かです。対マイクロソフト訴訟の存在ゆえに、AOLとネットスケープ、それにサン・マイクロシステムズのコンビネーションが可能になったのかもしれない。また、パッケージ販売の事実があったとしたら、やはり問題視しておく必要がある。しかし、今という時代は「業界の地図が一夜にして変わる出来事が起こる可能性がある」というのは事実だし、この事情は今後も変わらないでしょう。


98年11月25日(水曜日)

 雑誌の編集は難しい。たまには「雑誌チェック」をしようと思って、「国際政治・経済情報誌」と銘打ったSAPIOという雑誌を買ったのです。そしたら、台湾特集。アジアの景気が全般に停滞しているのに、「ここは素晴らしい....」という内容。しかし、実際には台湾経済はかなり大変なことになってきていて、それは数日前にここでも台湾の高橋君のメールを紹介しましたが、今日は Nando times に以下のような文章があった。

TAIPEI, Taiwan (November 24, 1998 7:45 p.m. EST http://www.nandotimes.com) -- At the whistle, the competitors began their frantic sprint down the basketball court -- 44-pound bags of rice slung over their shoulders.

Not athletes or army recruits, they were candidates for garbage hauling jobs, usually not a career highly prized by middle-class Taiwanese -- at least not until the Asian crisis started hitting home.

Despite Taiwan's relatively strong performance, secure if unglamorous jobs are in demand. Nervousness and economic pessimism, fed by a slump in exports and the stock market, are indications the crisis is starting to surface in Taiwan's economy.

"This is stable work, even if the pay is a little less," said Hsueh Kuang-jung, 28, who joined the garbage collection tryouts after leaving his job as a real estate broker because of a drop in business.

When 90 garbage-hauler jobs recently opened, more than 3,000 people vied for them, including 100 college graduates. The salary starts at $843 per month, just below the Taiwanese average.

"The economy is going to continue to weaken. Taiwan is going to do better than most of the other countries in the region, but the economy is going to grow much slower than Taiwan is used to," said Duncan S. Wooldridge, who monitors the Taiwan economy for Merrill Lynch.

The emerging economic troubles might seem a world away from the bustle of the Saturday afternoon shopping crowds. But even there, impulse-buying has subsided in favor of more practical purchases, says Pan Hui-lang, spokeswoman for the Shin-Kong Mitsukoshi department store chain.

 台湾については、直近のウォール・ストリート・ジャーナルによるとある銀行で取り付け騒ぎが起こったようで、政府がその銀行を管理下に置いたという記事がある。また再度の高橋君のメールによると、今台湾では台北市、高雄市、立法院(国会に相当)議員選挙で選挙一色だそうですが、取り付け騒ぎなどが起こったとなると金融問題も台頭しそうです。

 雑誌の記事にもありましたが、台湾は孤立していましたから対外借り入れは少ないし、企業家もあまり外部資金に頼らずに起業しているといいますから(私も台湾で聞きました)それほど深刻にはならないかもしれない。まあ輸出の減少が台湾経済には一番大きかったのでしょう。後は株の信用創造がどのくらい進んでいるか。しかし、この雑誌の台湾マフィアに関する記事はなかなかよくまとまっていた。雑誌は企画してから出来上がるまで最低3ヶ月くらいはかかる。話題の選び方は難しい。
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 最近聞いたおもろいジョーク。

金さん、銀さんは一生懸命テレビ、ラジオに出て出演料を稼いで、そして貯蓄している。ある人が思った。この人達はなぜこんなに働いて、貯金をするのだろう。機会があったので、聞くことにした。

 ある人:金さん、銀さん、どうしてそんなに働き、お金を貯めるの.....?

 お二人:だって、老後に備えなきゃいけないでしょうよ......。

 ははは、そうですね。あと老後は14年くらいはあるかもしれませんから...?。まあこれは、100歳を越えても「老後」に備える「老後備え好き」の日本人の貯蓄特性を良く表している。

 でも実際に、日本の貯蓄のかなりの部分は日本の高齢者が持っていることが分かっているのです。ですから、お年をめした方々にお金を使っていただかないと日本経済に血液が回らないようになっている。でも最近会うお年をめした方々は皆さん「使いたいけど、将来が心配で...」とおっしゃる。お年をめした方々を安心させない経済政策は駄目だということです。これは私の想像ですが、体が動かなくなる前のこうした方々は、遊びたい、旅行したい、楽しみたで潜在的には大きな消費層だと思うのですが、供給サイドは若者しか相手にしていないように思える。ここにはひどいギャップがある。


98年11月24日(火曜日)

 大学での無料奉仕講義の話を書いたら、早速いくつか「こういうのはどうだ....」というメールをもらって、いまさらながらネットの力に感じ入っていました。まあ実現するかどうかは分かりませんが、考えるだけで楽しい。資料を送ってもらったりしている最中で、ちょっと見させてもらいます。長く時間がとられるのはちょっと難しいかもしれないんですが、人に教えるというのは自分も勉強しなくてはならないわけで、これは私にも大変役立つのではないかと。(^_^)(^_^)
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 いろいろなところで「日本人が持つ個人金融資産は1200兆円」という数字がどうも一人歩きしている。日銀が発表している「主要経済部門別資金循環表」の中の「金融資産残高表」の個人の部の「合計」の数字が1230兆1910億円(97年)になっていることから使われ、その後は大した検証もなしに「日本人の持つ個人金融資産」というとこの数字が使われている。

 しかしこれは少し考えれば分かるが、どう見ても過大な数字である。日本の人口を仮に1億2000万(実際は数百万人多い)とすると、子供まで含めて日本人は一人1000万円の個人金融資産を持っていることになる。私に100万円しかなく、隣の人にも100万円しかなかったら、その隣の人は2800万円持っていることになる....というわけで、最近この数字をちょっと調べています。総務庁の「貯蓄動向調査」なども参考に。徐々にはっきりしてきたことは、

  1. 実体を無視した誇大な数字であること
  2. 実際は「直ぐ使える」という意味合いからは、その半分もないことと、所有している人の層は随分と偏っていること
  3. しかも、健全な経済成長がなければ、増えるどころか減少する危険性さえある
 ということが分かってきた。それにしても「数字の一人歩き」「評価の一人歩き」というのは恐ろしい。歩き出すと、誰も止められなくなるのです。この1200兆という数字もおそらくあと数年は一人歩きするんでしょうね。いくら「それは違う」と言っても。最近も何かのインターネット関連の雑誌に大きく「日本の個人金融資産は1200兆円....」と出ていた。多めに出した方が、記事も面白くなるのですがそれは実体と違っているわけです。
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 今朝から入ってきている海外の企業ニュースは華やかなものが多い。ドイツ銀行はモルガンではなく、バンカーズにした。少し以前に送ってもらった本なのですが、「ベンツの興亡」(東洋経済)を読み出しているのですが、ここにはドイツの企業の苦悩が出ていて面白い。ドイツ銀行も今の路線を敷くのに、大変な決断が必要だったと思う。今はドイツを捨て、ロンドンのマーチャント・バンクを買収してさらにバンカーズと、国際化路線をひた走っている。日本の銀行が大挙して海外からの撤退を進めているときに。同じ大戦敗戦国の銀行でも大きな戦略の違いが出てきたものだ。

 AOLはどうやら「第二のマイクロソフト」になりたいらしい。オンライン・メディアとエレクトリック・コマースで活躍する。ネットスケープの名前は、そのものがインターネットと一体ですから、AOLのインターネットの世界でのステータスは大いに上がるし、ネットを実際のお金にするには良い投資だと考えているのでしょう。ネットスケープ買収総額は42億ドルだという。一方ドイツ銀行は、バンカーズの株買収に97億ドルを投ずるという。この二つの買収だけで140億ドルもの金が動く。株式市場が活発化するのも無理はない。

 本と言えば、今日の昼になにげに「日銀崩壊」(毎日新聞)とかいう本を買ったのですが、これは大はずれだった。まあその分だけ素早く読めましたが。


98年11月23日(月曜日)

 やっぱし岡山往復というのは、辛い作業でした。行きも帰りも1時間以上は寝て、残った時間で行きではダイヤモンドに頼まれた短い原稿(新年特集号用)を書き、帰りはこの diary 用の文章を書いたりしましたが、とにかく体を自由に動かせないというのが疲れるのです。

 もっとも、事前にある程度知っていたのですが、席に着くと周りは知った顔というか、ほぼ毎日見ている顔が多い。また行きでは分からなかったものの、式場に入ると電車の中で見た方(新婦の友達ですから女性)が沢山いて、「なんだ、彼女もこの結婚式に来るために東京から足を運んだのか....」という具合。電車の中で席を間違えて座って正されたのですが、それを「間違いですよ....」と指摘してくれた女性も、会場で「新婦高校時代の友人」として座っていました。

 私はスピーチは本当に直前まで最終的には決めません。直前に話したした方(仲人さんなど)の話を受けて話したりするようにしているのですが、それでもいくつかの話のコアは考えておく。今日も行きの電車の中で新婦とずっと一緒に働いていた女性から話を聞いたりした。まあでも、説教臭い話はしないのです。結婚式ですから、基本は「楽しく」です。最近思うのは、結婚式の場でも女性が場慣れしていること。今日も新婦が堂々としていて、新郎は一人比較的寒い会場で額に汗していた。

 でも考えたら、「式に呼ばれる」というのは久しぶりなのです。5〜6年前はひどかった。土曜日、日曜日と式が続いてしかも同じホテル(キャピトル東急でした)の同じ部屋(地下の部屋でした)の同じ料理、同じ時間帯、同じ仲人さんというのがあった。この時は出席者一同怒ったものです。「おまえら、互いに連絡できないのか、、、、」と。しかし考えると、結婚式出席というのは減ってきている。

 一つは職場で女性が減少してきたと言うこと。そしてもう一つは、結婚式もハワイでやったり、親戚だけでやったりと会社の人間を呼ばなくなったこと。結構な傾向です。結婚式は時間もお金もかかる。今回など新婦の学校時代の友人、会社の同僚など大挙して東京から岡山、岡山から東京を移動しましたが、それらの切符代はすべて新婦サイドに面倒を見てもらってしまった。ちょっとこれは気の毒です。景気浮揚には役立ちますが。
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 3連休の最後ですから、電車は行きも帰りも混んでいて満員状態。まあこれが済んだら、結婚式で日曜祭日がつぶれるというのはしばらくない。いつも思うのは、結婚式で見る女性はいつも以上におきれいだと言うこと。これはナイスなことです。


98年11月22日(日曜日)

 土曜日に久しぶりに大学に行って喋りながらちょっと思ったのですが、うーん、どこかの大学で無料でもいいからしばらく講義をするというのは面白いかもしれない。そういう口があるかどうか知りませんが。

 と思ったのは、その後のパーティーで大学の関係者が言っていたのですが、まず先生方の講義が面白くないのが一因でしょうが、学生が教室の後ろ半分は寝ていて、前の方の学生も開けている教科書の上にPHSや携帯をのせて聞いていて、講義が終わるやいなや「今終わったの.....」とか言って電話をするのだそうです。完全にばかにされておる。まあそれで良く先生も黙ってますわな。

 ここで何回も書いていますが、私は講演に行ったら聴衆を寝かさないというのをモットーにしている。見ていて、「あこいつ寝ているな」と思うと、数分以内に彼が起きざるを得ないように話をもっていくのです。ちょっと語調を強めたり、会場がざわつくような話題にして。学校の講義だってそういう努力があっていいと思うし、まあそういうことでならちょっと協力できるかも。

 もう一つ、パネル・ディスカッションのあとのパーティーで現役の学生と話していて、「違和感」「異物感」があったと書きましたが、これは私の気づかないところで新しい何かが、大げさに言えば、芽生えている(^_^)(^_^)可能性もある。とすれば、彼らとはつき合う価値がある。まあ大学に講義に行くなんてのはもうちょっとあとでもいいのかもしれませんが。いい話があったらですが。
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 今朝思いついたのですが、私のインターネットを使っての講演はいちいちパソコンでサイトをクリックしながら行っているのですが、これを「チュウーチュー・マウス」か何かに覚えさせてやる手もあるな、なんて思いました。私は使ったことがないのですが、このマウス君は使用者が通常使う手順にマウスを動かしてくれるらしい。ですから、こいつに覚えさすのです。講演に使うサイトの手順を。そうしたら公演中はしゃべりに集中すれば良い。一つのサイトにとどまる時間も指定できるのかな。

 もっと言えば、しゃべりとマウスの動きを同調させることもできる訳です。そして「しゃべり」を録音する。そうすると、わたしゃ行かなくても講演が出来る。ははは、サーバーがダウンしているときはどうなるかって。そうですな、マウスもそこまでの面倒は見てくれないでしょう。またサイトが混雑していて、なかなか画面が出てこないときは.....。やっぱり問題が多いか ?


98年11月21日(土曜日)

 3連休 !! ははは、ナイスですが、小生には実質1日でごわす。本日が早稲田大学国際部でのパネル・ディスカッションで、月曜日はかつての部下の女性の結婚式で岡山まで日帰りします。岡山日帰りというのはきついですね。おめでたい席ですが、正直言って気が重い。しかし、一度OKをしたからには行かないと。(^_^)(^_^)

 岡山までだと、「のぞみ」と「ひかり」では所要時間が随分違うらしい。岡山出身の井上君が、「のぞみの500系」が速いと教えてくれた。もらった切符が500系かどうか日曜日にチェックしようと思います。
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 パネル・ディスカッションは3時過ぎに始まって、5時前まで。最初私がインターネットを使って基調報告をして、あと木下名塚の二人がディスカッションに加わるという展開。まあ私が気をつけたことと言えば、ほっておけば様々な問題についてパネリストの意見は一致する傾向にある(と私は予想した)。そこでお二人に、いろいろな人の意見も用意してもらうことでした。それぞれの分野で経験も経歴も十分な二人ですから、この辺はぬかりなく。お二人には、ご苦労様。いい経験になりやした。

 ちょっと残念だったのは3連休の初日で、参加者が思ったほどではなかったこと。まあこれは仕方がないですね。「景気」という観点からは、外に出ていただいた方が.....。それにしても、昔阿部球場があったところに立派な施設が出来ていて、プロジェクターも天井から下がっている。大学も進歩したものです。出来ることなら電話線、さらに言えばISDNを引いておいていただけたら、もうちょっと迫力ある画面が見せられたのでは。ピッチでは限界がある。

 参加者からはお世辞もあるでしょうが、「非常に興味がもてたし、面白かった」という反応が多かったと思います。まあこういう形のプレゼンテーションをする人は、まだ少ないのでしょう。私は2年近くもやっていますが。早稲田の国際部(現役および卒業者)で、インターネットをやったことがある人と聞いて手を上げたのは半分にも満たなかった。これが日本の現実なんでしょう。パネル・ディスカッションには途中から聴衆の方にも参加してもらいました。活発な意見が出た。時間が足りなかったというのが本当のところの実感です。
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 終わった後パーティーがあったのですが、ははは現役の学生(主に女子)が少なからずいて、話していて結構面白かった。正直言って、彼女らの発想はどこか我々とは違う頭の箇所から出てきているような気がする。(^_^)(^_^)心地よいかどうかは別にして、違和感、異物感がある。話していて、thrilling なんだな。面白かった。ははは。そりゃそうだ、いったい何歳違うんだい.....なんて話をしながら最後に3人でお茶して解散しました。


98年11月20日(金曜日)

 Thanks God It'S Friday !!

 金曜日はいつでも Feel Nice ですな。番組を二つ(一つはこちらですが)抱えているこの日は、すべて終わるとほっとする。本当に一週間が終わったという感じで。しかし、今日のラジオたんぱの「Roundup World Now !!」は、「笑い」をテーマにしてやりましたから、楽しかった。経済の番組で「笑い」を真正面から取り上げたのは、この番組が始めてではないかと思います。これからも新しい企画をどしどし入れていきたい。
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 TBSでクリントンの市民対話を聞いていて最初に思ったのは、「この人は、なんと first of all が好きな人なんだろう」という点です。質問を受ける、そしてそれに答えるときに約60%の確率(^_^)(^_^)で、頭の方で「 first of all」という。あまり多いのでどのくらいの確率で返答をこのフレーズで始めるか数えだしたら、このフレーズが出るたびにおかしくなってしまいました。

 人にはそれぞれ喋るときの独特の表現、使用単語がある。物まねをする連中はそれを素早くとらえたり、抑揚を掴むのですが、私が聞いている範囲ではクリントンが一番ああいう場(記者会見のような)で使うのは、「first of all」のようです。私が知っている人の中では、「変な話だけれども」という表現を繰り返し使う人がいる。本人は気づいていないかもしれませんが、その人と話していてそのフレーズが出るとつい気持ちの中で笑ってしまう。まあ、一つの癖です。

 クリントンが実際に何回「first of all」を言ったかはトランスクリプとを入手して検索を掛ければ一発ですが、たぶんあの一時間20分ほどの間に20回は言っていると思う。他のどのフレーズより多く使っている筈だ。まあくだらないことに最初に気づいた「対話集会」でしたが、見ていて思ったのは日本の政治家より遙かにコミュニケーションがうまいというのと、何も手元に置かずにどういう質問が飛び出すか分からないああいう場に出る勇気は「アメリカにおける政治家としてのサバイバル術」の一つなんだろうと思いました。

 それにしても、他の国の指導者に「あまり悲観的にならないで....」なんて言われるのは国として顰蹙ものですな....。


98年11月19日(木曜日)

 うーん、これは自分のコンピューターからプロバイダーにファイルを転送したことがない人にはあまり関係ないかもしれませんが、「なんだ、こんな簡単な方法があったのか...」という...。知っている人は、「なんだ」と思われるのかもしれませんが。実は、今年の春だったと思ったのですが日本経済研究センターで講演をしたのです。同センター始まって以来というインターネットをオンラインにしての。この時は、電話線まで引いてもらいました。私はこういう時は、会の為のホームページを作る。それが、今も残っているこのページなのです。

 で今月というか今週の21日の土曜日に、早稲田大学の国際部で「日本経済を語る」というパネル・ディスカッションをやることになっている。私がインターネットを使って基調講演をするのですが、考えたら春にやった経済研究センター用のページがいろいろなことで使えることに気がついた。しかししゃべる場所は経済研究センターではなく「早稲田大学」だから、頭のロゴをここの左上のgif に変えたい。今までだったら、ここで右クリックし、「名前をつけて...」例えばFDなんかに保存し、WS FTPを起こして左窓に入れ、右窓に転送してきた。

 しかしちょっと思ったんですな。これは面倒だ。デスクトップに一端置いて、それをドラッグしてWS FTPの右窓にドロップしたらどうなるだろうか....と。ははは、バカみたいですな。簡単に出来た。今まで gif や jpeg をサーバーに転送するのは重いし面倒だと思っていたのですが、これだと実に簡単。その他の種類のファイル転送も簡単です。今までの手順がかなりはぶけた気がする。コンピューターって、いろいろやっていると思いつくことが多いですな....。ロゴを入れ替えると、このようになります。まあこれから中味も見直しますが。また土曜日暇している人は早稲田に来て覗いてください。メンバーも最高ですよ。
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 アメリカからの賓客を迎えて、都内の警備は厳しくなった。困るのは、駅などからゴミ箱が撤去されたことで、モノを捨てようにも捨てられない。社内放送では、「家に持って帰れ」と言っている。各所で交通渋滞も起きている。ここまでされたら、「何か日本国民にクリントンは持ってきてくれるのだろうか」と思ってしまう。

 若々しい指導力、魅力....あるかな ? NEWS 23をじっくり見ようじゃないですか。でもTBSがクリントンの独占に成功したことで、他の局は困っているでしょうね。大きな発言が出たら、「ある民放局での発言で....」とか言うしかない。それとももう他の局も「TBS」って言うのかな。

 クリントンが飛行機で移動している最中に、こんなサイトも登場している。ここの英語はかなり耳が慣れていないと聞き取れない。タフな大統領と、しつこいアメリカのマスコミという図式。
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 正直言ってFEDの利下げには驚いたが、同じような気持ちの人はいるものだ。午前中に投資顧問の野崎さんから電話があって、「どうして連銀は利下げをしんたんだろうね....」という話になった。また英ファイナンシャル・タイムズの LEX COLUMN も同じ意見のようで、「Greenspan's bubble」とこれを批判している。

 利下げ理由は昨日も書いたとおり、「unusual strains remain」ということである。しかし、では「unusual strains」とは何かを説明していない。利下げの直後に一部の人に送った情報で、「これはもしかしてFEDが知っているものの、市場が知らないリスクがあるのかもしれない」と書いた。FTもそう勘ぐっている。市場もあまり良い気がしないようで、債券市場などはむしろ神経質になった。「年内はもうない...」という観測も台頭してしまった。

 一般的には「unusual strains」とは債券市場のリスク・プレミアムが高いことを指すと思われている。しかし、これは一時の高い水準から下がってきていたし、思い出さねばならないのは、つい半年前までグリーンスパン議長は「債券市場や貸出市場のリスク・プレミアムが縮小しすぎている」と警告していた。危機の直前よりは高いかもしれないが、リスク・プレミアムが一定水準なのは金融市場がリスクを正当に評価している証拠とも言える。

 株が再び上がりだしている。史上最高まであと300ドル強だ。底堅いと言ってもアメリカ経済は望ましい減速をしている。そのときに株が史上最高を更新するのは、望ましい展開とは思えない。予測の間違いは認めるとして、市場が知らない unusual strains がもしなかったとしたら、私は今回のFEDの利下げは「余計」「拙速」で、あとでツケが回ってくると思う。


98年11月18日(水曜日)

 ははは、結局午前2時半からFOMCの利下げ発表があった午前4時半過ぎまで、時々薄雲がかかった東京の空を眺めていました。私が見ていた範囲では、午前4時15分前後の二連発が一番すごかった。一つは南に走り、緑色をしていて、おっぽもあってそれが揺れたように思えた。その直後に今度は北に向かうしろみがかった☆が流れた。

 星が流れるたびに歓声が上がるのです。拍手も聞こえる。ちょっと異様な光景。我が家の直ぐ近くの「蚕糸の森公園」の中にある小学校の校庭に、そうですね300人くらい。公園全体では1000人くらいの人がいたのではないでしょうか。私は一度行って様子を見て、家に帰って椅子を持って校庭に戻ってそれに座って☆を見ていました。直ぐ身の回りに、人が一杯いるんですよ、午前3時とかいう時間に。かなりの人は寝そべって。

 寒かった。ところどころから、「超寒い」とか「ハイパー寒い」という声が聞こえる。デジカメも持っていきましたが、光は禁物ですから撮影はしませんでした。中学生、高校生とその親が多かったように思います。18日の日中の学校では、居眠りをする連中が多いのでは。一つ思ったのは、18日の早朝の携帯電話使用量は携帯電話サービスが始まって以来ではないか、という点。私もかけましたが、電話があちこちで鳴っている。明け方の校庭で....。

 私が知っている人の中でも、井の頭公園で星を見た人とかいろいろいたようです。でも、33年に一回しかないショーですから、見て良かったと思います。とにかく1秒、2秒のショーで、ちょっとよそ見をしていると見れない。でもあれだけ集中的に流れ星を見たのは、生まれて初めてですね。数から言っても、これまでに見た数を全部足しても、今朝見た流れ星の数には及ばないと思う。

 それにしても、都会は光の渦の中にあるというのがよく分かる。校庭ですが、このときばかりは邪魔な光がいっぱいある。街灯だとか、ビルの屋上の明かりだとか、部屋の明かりだとか。富士山の山頂だったら、長野県だったらなんて考えました。たぶん、見える星の数が全然違ったはずだし、流れ星も倍は見えたのではないかと思う。薄くしか見えない流れ星も一杯ありましたから。ああいうのは、光のないところで見ると、鮮明に見えるんですよ。33年後ね。え、2031年 ?
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 ニューヨークから「両方とも0.25%下げ」の連絡があったのは、午前4時31分くらいでしたか。ははは、小学校の公園で携帯電話で聞きました。目原君、tks。私の予想は、「利下げなし」でしたから、今回は間違った。でも、「予想」でもポジションを取ることは重要なのです。FEDの声明文は以下の通り。

Release Date: November 17, 1998

For immediate release

The Federal Reserve today announced the following set of policy actions:

The Board of Governors approved a reduction in the discount rate by 25 basis points from 4-3/4 percent to 4-1/2 percent.
The federal funds rate is expected to fall 25 basis points from around 5 percent to around 4-3/4 percent.
Although conditions in financial markets have settled down materially since mid-October, unusual strains remain. With the 75 basis point decline in the federal funds rate since September, financial conditions can reasonably be expected to be consistent with fostering sustained economic expansion while keeping inflationary pressures subdued.

In taking the discount rate action, the Board approved requests submitted by the Boards of Directors of the Federal Reserve Banks of New York, Philadelphia, and Dallas. The discount rate is the interest rate that is charged depository institutions when they borrow from their district Federal Reserve Banks.


98年11月17日(火曜日)

 夕方から国際文化会館で行われた村松増美さんの出版記念パーティーに出席。村松さんが今度出した本は、「私の英語ウォッチング」(ジャパン・タイムズ社)。村松さんとはある講演会で前後で講師をやった仲で、その後本を書いたら送り、村松さんも贈ってくれるという間柄。

 まあ、サイマル・インターナショナルもいろいろ(倒産)ありましたから、パーティーの中でもその話題は出た。結局ベネッセが資本を出してサイマルも再興なりましたが、村松さんは「常勤顧問」ということで再び活動開始。秘書もいないので、パソコンを一生懸命始めたとおっしゃっていた。活動開始の第一弾が今回のパーティーということである。本そのものは、「週刊アエラ」連載のコラムを一冊の本にしたもの。

 しかし感心するのは、村松さんの話術のうまさ。自分がくぐった苦境までも、話術に取り入れる技はなかなかです。しかし、天は二物を与えなかったということでしょうか。経営までやって数字をいじって失敗した。「タレントだけやっていればよかったのに」とはある人の言葉。でも、あれだけ多くの友達をお持ちだというのは羨ましい限りです。

 本も少し読み始めましたが、知っている単語もあれば、「へえ」という単語も取り上げられている。簡単に読めるのではないでしょうか。それにしても、出席者の平均年齢がどう見ても私より15歳くらい上。何人かの方と挨拶して、早々に引き上げました。
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 韓国の姜さんから日中電話あり。用件は当面の円相場の見通しや FOMC 展望などでしたが、それに関しては私から見方を説明。その後雑談していて面白かったのは、最近短期間ですが姜さんが行った北朝鮮に関して。2〜3日行ったのだそうです。距離にしたら数十キロしか離れていない北朝鮮に。そして彼がもった正直な印象は、「南に生まれていて良かった」というものだったという。

 北朝鮮の人と直接話すことは出来なかったそうです。しかし、町に入っただけで印象は持てるし、生活レベルは察することが出来る。まず、活気がないそうです。北朝鮮は。「なんだかんだ言っても南は活気がある。それに比して北は活気がない」というのが彼の印象。「個人にメリットのない社会は駄目」というのも彼の印象だったらしい。北で電柱工事をしていたのだそうです。人だかりがしている。他に見るものがないので、皆集まったのでは...というのが彼の解説。また、運搬のかなりの部分は依然として馬に頼っているのだそうです。自動車がない、ガソリンが高いというなかで自然とそうなる。

 ベルリンの壁が落ちたとき、西ドイツ経済は大きく混乱しました。今のその影響は残っている。韓国も、北が市場経済に参加する折りには大きな負担を背負うんでしょうね。今から心配しておかないと。
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 台湾の高橋君からは、台湾の景況も悪化してきたというメール。全文ではありませんが、多少紹介すると

台湾も今まではアジア経済危機の影響を最小限にしか受けず今年の経済成長も5%を超えるという事で、アジアの優等生として賞賛されてきました。(しかし今は)有名企業が次々に倒産の危機に直面しています。企業自身の業績が悪い為に倒産しそうというよりは、オーナーが自社株を担保に事業を拡大したり、株式に投資しまたその株を担保に投資するといったバブル的信用拡大が、アジア経済危機に端を発する株価の下落により、自社株の買い支えに同族会社や上場企業の子会社を使い、それでとまらぬ株価の下落の為についに株の決裁ができず、そのため親会社の信用も無くなり資金調達が出来なくなるといった具合の為です。

 そんなことで政府も株価サポート策を色々発表したりしていますが、すぐあとにまた大手企業が倒産の危機に直面したりしてどうも悪い方向にスパイラル的に落ち込む危険性も出てきたように感じられます......。

 台湾はアジアで唯一元気だった経済を持っていた地域ですが、このメールによれば台湾経済も無理な信用の拡大でおかしくなってきたようです。ちょっと心配ですね。

 ははは、今日は早く寝て、☆を見るために早朝に起きます。


98年11月16日(月曜日)

 ちょっと肌寒くなって、「軽いコートが欲しい」と思ったので、買いました。ははは、「無印良品」で。ベルコモの裏の。寒い、寒い、欲しい、欲しいと思いながら店に入って、「ないの」と聞いたら、ありました。でいくらだったと思います。「9800円」ですよ。それが、まあ恥ずかしくない程度には出来ている。「本当に、モノは安くなった」と思いました。最低の機能さえ果たしてくれるモノを探そうと思ったら、かなり安い値段で手に入る。選択ができる時代と言うことです。

 たぶんこのコートは中国製なのですが、最近使節団として中国に行った先輩から面白い話を聞きました。「中国もデフレだ」というのです。それによると、中国の物価指数(基準年次を聞くのを忘れましたが)は現在98で、つまり徐々に下がっているというのです。中国といえばつい最近まで「物価上昇」が大きな頭痛の種でした。モノの値段が安くなる経済環境は、世界的に広がっているようです。

 一万円を切る商品といえば、いままでしていた時計を一ヶ月くらい修理に出すので、スウォッチを9400円で買ってしているのですが、これはなかなか快適な時計です。なにしろ本体の厚さがバンドの厚さと同じくらいしかない超薄型なのです。時計は普通はワイシャツの袖口にぶつかって、ワイシャツの袖口を痛める。しかし、この時計にはその心配が全くない。当然ですが、極めて軽い。装着感が薄いのです。今までの時計が戻ってきても、この時計をし続けるかもしれない。
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 一回こうすると決めたらそうしないと気が済まない私は、時間を見つけて「ムトウ 踊るマハラジャ」を渋谷のシネマライズで見ました。いや、壮絶でしたな。何がって。まず、立ち見まで出る会場を埋めた観衆は95%が女性。しかも20〜25歳くらいの。開始早々から、壮絶な席の取り合いで、40〜50人は立ち見に回った。私は前の回から座っていましたが。

 始まると、笑いのポイントが出てきて、そこではわっと笑いが会場を包む。一番全員が笑ったのは馬車が崖を飛んだシーン。他にもいっぱいあります。ストーリーはありますよ、ちゃんと。しかし、筋書きというほどの筋書きはない。出てくるのはインドの地主一家、その召使い達、どさまわりの劇団とそこのスター、地方のヤクザ(?)集団など。「ムトウ」役は、たぶんインドでは有名な喜劇俳優か何かでしょう。パンフレットというものを買わない小生は知りませんが、確かに日本や先進国の映画にはないばかばかしさと、単純さと、「笑い」がある。最初の方の歌に、「人生笑ってすごそう....」てな台詞が出てきて、まあそういうことなんでしょう。ひどい男女差別、州が違うと言葉が通じないインドの言語事情、厳しい土地制度などインドならではの事情もうっすらと分かる。

 それに関連するのですが、今の日本ではもう一つ「踊る」と題名のついた名前の映画がヒットしている。こちらはodoru というドメインまで取得したサイトが立ち上がっていて、つい最近知っている人が「お母さんと一緒に見に行く約束をした」というので、その存在を知った。やはり女性に人気が高い。こちらは、フジテレビかなにかでテレビの番組としてやっていたらしい。

 私は後者は知りません。しかし、たぶんこの二つとも従来の価値基準での映画としての完成度は低いのだと思います。前者など、わざと完成度を低くして作っている。しかし、アカデミー賞の有力候補と言われる「Saving Private Ryan」(プライベート・ライアン)などと比べて、気楽に単純に見られるというのが最大の特徴です。プライベート・ライアンのオマハ・ビーチでの上陸作戦のシーンなど、見ているだけで気分が重くなる。あまりにもリアルで。

 これに対して、「ムトウ」のアクション・シーンなんて壮絶な(?)殴り合いアクションの割には、ほとんどお笑いです。踊りも結構良くできている。マツモト・キヨシの新しい宣伝もそうですが、時代は「軽さ」を求めているように思う。まあ、ちょっと意味が違いますが。日本で特に「軽さ」がもてはやされるのでしょう。時代が重いですから。渋谷のシネマライズでは20日まで。松山の川口さんからのメールでは、12月05日から11日まで短い期間ですが松山で上映されるらしい。引き合いに出して悪いのですが、「始皇帝暗殺」なんか見るより、「ムトウ」の方が楽しめる。「踊る大捜査線」のことは知りません。(^_^)(^_^)


98年11月15日(日曜日)

 ははは、食い物の恨みは恐ろしい。腹の虫が治まらないので、京都のホテルのURLを見つけだして、ちょいとここの文章を引用しながら、ご意見を差し上げておきました。一言で言えば、「もうちょっと幅広くアドバイスして頂きたかった」ということです。施設など、お金を使えばいくらでも良いものができる。サービスとは結局は、コンテンツなんだろうと思う。そこに住んでいない宿泊客にとって美味しいものがどこにあって、どうやったら食べられるかなんてのは、ホテルにとって非常に重要な情報(コンテンツ)なわけです。

 でも、こういうホテルやレストランへのフィードバックは絶対必要なんです。先日タストバンに行ったら鳥飼さん(よく雑誌などに出ている人ですが)が近づいてきて、「この前はありがとうございます」と真顔、かつ笑顔でしゃべりかけてきた。その2週間ほど前にこの店に行ったら、「新しいメニューが出来ました....」というのでいくつか試したのですが、その中で「ブイヤベース」がちょっと首を傾げたくなるものだった。そこでその場でも言ったし、あとでファックスを送って、「この手の料理なら、あの店とあの店が美味しいよ....」と意見と情報を差し上げた。鳥飼さんは、そのことに感謝してくれているのです。

 彼曰く、「日本人は何も言わないで、こなくなっちゃうんですよ....。これが困る」と。そりゃそうだ。店にしてみれば、クレームもこず、客もこなくなるというのが「What's going on ?」で一番困る。私もそうですが、消費者はお金を払っているんだから、供給者に正当なものなら文句をどしどし言わないと。その代わりここにも書きましたが、私はカウンターの店なら本当に美味しいものが出てきたら、場の雰囲気にも配慮するし、誰と一緒に食べているかにもよりますが、拍手をすることにしている。(^_^)(^_^)
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 ついでにあちこちのホテルのホームページを見ましたが、今月は20、21日が比較的あちこちのホテルの予約状況がいっぱいになっていますね。特に京都のホテルは来週はもう満杯。やはり紅葉シーズンだからでしょうか。12月の下旬のホテルの混み具合を見たら、クリスマス前後はかなり空いている。あの数年前のバカ騒ぎは完全に過去のものというわけです。ひっそりとホテルに宿泊してクリスマスを祝っているカップルもいるんでしょうが。こちらの方が、クリスマスに合致する。

 ただし、31日は一杯のホテルが多い。正月をホテルで迎える人は多いというわけです。考えたら、日本ではこちらの方が定着するでしょう。それから、あちこちのホテルのサイトにある「空室情報」は景気動向指数としても使えるな。それに、インターネット予約を「割引」としているホテルの多いこと。インターネットは日本ではまだ「トクトクネット」でっせ。
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 それから、「ムトウ 踊るマハラジャ」は電話で問い合わせたら全回とも一杯でやめました。やはり、良い映画を知っている人は多い。渋谷の一つの映画館でしかやっていませんから。代わりに日曜日に「始皇帝...」を見ましたが、おもろなかった。駄目ですね、あの映画は。時間の無駄。


98年11月14日(土曜日)

 今日は朝夕刊とも、面白い新聞記事が多い。朝日朝刊の14面にある「笑い 腹を抱えて人生前向き」は日頃わてが言っていることでんがな。中に面白い例がいくつかある。  

  1. 笑うと、鎮痛効果を持つ物質が体内に出来る
  2. 落語で一回笑うと三週間はヒザの痛みが楽になった人が多い
  3. 笑いは、免疫力のアップになる
 など。で、いつも思う。今の日本人には「笑い」が少ないと。電車の中で特に感じる。少しにこりとしたら。景気討論会なんかにいったら、目も当てられない。みんな押し黙って難しい顔をして話しを聞くだけ。あれで景気が良くなると思ったら、大間違い。あれは、「景気の一段悪化を願う会」そのものだ。必ず飛び出してくるのは、「厳しい」という意味不明の単語だ。なにが、あんたも「ボキャ貧」じゃないのかい。司会も下手な人が多い。紙に書いた文章を読むだけの。「あんな景気討論会ならやらない方が、景気は良くなる」と思う。

 病人は笑わせねばならない。朝日の記事には、「(笑いで)体が reboot される」と書いてあった。reboot とはコンピューターの「再起動」を意味する。日本経済も「病人」だ。だとしたら、「日本経済再起動」の為には各所で「笑い」が必要だ。ははは、ラジオたんぱの番組の私の相棒の小野慶子は、番組中ずっとわらっているな......。わたしゃ、ちゃんと考えてやっているんです.....。
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 で今、「笑い」には最適の映画が来ているらしい。小生はまだ見てないのだが、いろいろな人が「これは良い」と紹介してくれるので、今週末に見ようと思っているのですが、インドの映画で「ムトウ 踊るマハラジャ」。とにかく笑えるらしい。私がもっとも最近見た映画は「プライベート・ライアン」だが、これは笑うどころか、もしこの局面で自分がいたら....と考えてしまう映画。

 まあ「ムトウ」を見たら、報告しましょう。「始皇帝暗殺」はどうなんでしょうか。まあ、まだ見た人は少ないでしょうが。
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 名刺を光学的に読みとって整理するソフトウエアはやはりありました。木村さんが教えてくれた。http://www.mediadrive.co.jp/what/econtact_win/index.htmlを見ると出ていて、ただちょっと高いのが難点ですな。もっと安くならないかな。でも木村さん、いつも情報tks。

 京都の「湯豆腐」に関しては、「あじゃりん/千香子」(?)さんから以下の情報。

伊藤さん こんにちは

 昨日の日記にある「嵯峨野」の件ですが、これはおそらく嵐山の天竜寺の裏にある「湯豆腐 嵯峨野」のことだと思います。京都の美味しい湯豆腐が食べられるお店は、南禅寺の周辺と嵐山に多くあります。伊藤さんがいかれたお店は一番観光客が多く行くところだと思います。これに懲りずまたトライしてくださいね。私は湯豆腐の場合、「嵯峨野」のほかには祇園の「豆水楼」をお勧めしてます。

 だそうです、皆さん。「順正」や「奥丹」を教えたあのホテルにはもう絶対宿泊しない。うーん、今度京都に泊まるなら、嵐山の「嵐亭」がいいかな。


98年11月13日(金曜日)

 他のことをしながらですが、NHKの「信用収縮が世界を覆う」を見ました。夜9時半からの。うーん、ナイストライだと思うだけれども、違うんだな、市場をずっと見ている人間からすると。番組では、「今まさに世界を信用収縮が襲い始めている」という印象の番組になっている。しかし、市場にいる人間にはもうそれはちょっと一段落して、世界経済には様々な safety net が張られて次ぎの段階に移りだしているという認識だし、グリーンスパンもそういう見方を先頃表明していた。420億ドルのブラジル支援バッケージも金曜日には成立した。

 つまり、番組ができあがる頃には実はもう次の段階に事態が進んでいるのです。今の経済の変化のスピードは速い。事情は分かります。NHKは番組を作るのにものすごく時間と慎重さを期す。番組で使われていた単語もよく選ばれていた。取材もしていると思う。韓国の経済取引のかなりの部分が現金取引になっていることは聞いていましたが、実際に絵で見ると「なるほど」と思う。しかし、やはり番組には「timely」というよりは、「delayed」の印象が拭えない。

 もう一つ思うのは、まあ「こんなことになっていて大変だよ...」というアラーム番組に仕立てるのは視聴率を上げるためもあるし、事実事態は深刻だったんだから良いとして、では「どうしてそうなっていて、何をしたら良いのか」というところがない。見ている人に実は不親切な番組になっているのではないかと思うのです。不安にさせるだけの。原因は解説していました。しかし、LTCMの倒産からすべてが始まったわけではないし、その前のロシアの経済危機にも原因がある。

 市場経済の行き詰まりを言うんだったら、今までの「市場経済の成果」について触れなければいけないし、今後の経済の形について提言があっても良いと思う。まあ、3夜連続だそうですから、土日を楽しみにするとしましょう。でも、番組にも「より current」が求められる時代に入った気がしました。
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 思い出しました。先週末の京都での出来事。「湯豆腐が食べたい」と思ったのです。で、ホテルの何でも屋さんに電話して、「どこがいいの」と聞いたら、

 「一応名前のあるのは、順正と奥丹」

 と言うので、最初に名前が出た順正に行ったのです。タクシーでホテルから近かったし。しかし食べてみてそこがあまり美味しくなかった。豆腐はまずまずだったが、一緒に付いてきた天ぷらもひどかったし、あと田楽もよくなかった。

 食べた後、まじい(まずい)....と思ってタクシーに乗って、運転手にぼやいたら、

 「あんなところで食べるからですよ」
 「あたしだったら、嵯峨野(または嵯峨)に行きますね。800年の歴史ですよ」
 「あそこなら、豆腐が違いますよ」
 「順正に行くなら、となりの湖月の方がまし...」
 と言われたわけ。なんだよ、ホテルもいい加減なことを教える。本当に自分で食べて教えているんかいな.....。で、その嵯峨とか嵯峨野ってどこにあるの。南禅寺の近くじゃないんですよね.....。
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 ブルーンバーグの池田さんが金曜日の午後見えられて30分ぐらい話をしました。別に頼まれたわけではないものの、アスキーのインターネットという雑誌の取材に答えて、ブルーンバーグのどのページを便利に使っているかという話をしたらそれが記事になった関係で。

 ブルーンバーグはいつも便利に使っているのですが、「株のカレントなページ」と「カレントなニュースのページ」を知らなかったので、これが聞けたのが良かった。池田さんは約10年前にブルーンバーグが日本に進出した直後から、営業関係を担当してきたそうです。10年ね。よくここまでこの会社も伸びたものです。私の友人とか後輩も何人か行っている。本当は「ブルーバーグ」と日本語では表記しているそうです。

 ははは、以前は「bloomberg」と言っても、「え、文房具屋さん.....」とか呼ばれたらしい。まあそうでしょうね。アメリカでも、この創業者の名前の会社の名前が一般化するには時間がかかったとニューヨーク・タイムズの記事にあったような気がする。この会社の最大の特徴は、Bloombergさん自身が実際の取引も、それを仕切るコンピューター・システムの責任者もやったと言うことです。ソロモンでの挫折が会社設立と、その後の発展の原動力になっている。今メディアの世界では一番注目される存在ではないでしょうか。ロイターも顔色ない。彼が書いた「Bloomberg by Bloomberg」は、「Solos on Solos」をもじった題名の本でしたが、その内容のいくつかは今でも思い出す。面白かった。


98年11月12日(木曜日)

 日本の企業、特に大きな企業に勤めているみなさん、強くなりましょうね。というのも、最近国有化されたある銀行の先輩と電話をしていたら、彼がしみじみ「伊藤さん、日本人は弱いね....」というのです。その人が言っているのは、ある外国資本との合弁事業が解消される中で、日本の銀行から行っていた人たちのか弱さが目立つというのです。

 日本の会社は、通常は力があろうがなかろうが、地位が上になると周囲がそれなりきに気を使ってくれる。それはその人にとって非常に居心地の良いことなのですが、そういう期間が長くなると、それにどっぷり浸かってしまって徐々に修羅場での、またいざという時に、力が出せなくなる。どこかで誰かに頼れるような気分になって。で、個別戦でも、総力戦でもいざという時の企業内のパワー・ゲームでどうしても負ける....というのです。

 日本の企業なら、負けても待遇は同じようなもので企業に残れる。しかし、海外の企業はそうはいかない。負けたら、しばしば外に出ないといけない。では日本人は誰に負けるのか。外の企業の厳しさに鍛えられた同じ日本人に負けるのが一つ、もう一つは日本に来ている外人なんだそうです。まあ長く日本の銀行で育った人が、今回の一連の騒動の中でしみじみ感じたことなのですから、理屈抜きに実感なんでしょう。むろん例外もあるに違いないのですが、今現在は大部分の日本の大企業の役職者はその程度かな...と思う。

 まあ、それだけ日本は居心地の良い世界だったんです。良い悪いは別にして。力を出し合って協力はするけれども、むやみにお互いに頼らない。能力は常に研ぎ澄ましておく。肝心な時にはちゃんとアピールし、周囲に実績を示しながら生き、常に自分の中に contingency plan (緊急時計画)を入れておく、というようなことが必要なのかもしれませんね。その先輩の言葉から、そんなことを感じました。まあせいぜい、いやらしくない範囲で強くなりましょうや(^_^)(^_^)
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 「するめ」は縁起が悪いから、「あたりめ」に名称変更(別に正式ではなく、一般的に)になったのは有名な話ですが、ラジオを聴いていたら「スリッパ」とは縁起が悪いとばかりに、「アタリッパ」とあえていう人が芸能界の一部にいるらしい。ははは、まあ行き過ぎですわな。大体、お呼ばれして「アタリッパは....」と言って、そこの奥さんでも何でも理解してくれる確率は少ない。

 でも言葉が徐々に変化しているプロセスとしてはおもしろい。「するめ」はまだ通じるけれども、こうしてなくなっていった言葉は多いんでしょう。今度使ってみよう。「あれ、アタリッパは.....」と。ちょっとした笑いを巻き起こすことが可能でしょう。頭の体操と.....。


98年11月11日(水曜日)

 ゾロメの今日は講演会はなく、午前と午後に一人ずつのお客さん。午前中は、以前私の下で働いていたものの伊豆の家業の酒卸業(実際に作ってもいます)を嗣ぐために退職した S 君が東京出張で在京中ということで来てくれて、一時間くらい話をしました。実際に商売をしている人の話は面白い。

 まず、観光地・伊豆は地域経済としてはかなり悪いらしい。つい最近も結構名前の通ったホテルが自己倒産したそうで、また熱海の目抜き通りの旅館のオヤジが夜逃げしたりとか。旅館も酒屋も経営が厳しく、「伊豆は一種の信用不安の中にある」とは彼の弁。全体としても、「伊豆の観光地は閑古鳥が鳴いている」ということらしい。

 で旅館はどうしているか。まずは、コスト削減です。昔は有名な旅館は、そこに長くいついている人が仲居さんをしていた。テレビドラマでもそうなっている。しかし最近は雇用の流動化の流れの中で、「必要な時に必要な人数の確保」が伊豆の旅館の命題になっているそうで、仲居さんも二カ所くらいを掛け持ちするケースが多いのだそうです。つまり派遣化による、終身雇用から時間給への切り替え。

 この大きな流れの中で、経営者にとって結構気になるのが時間当たりの「最低賃金」だそうです。これは今のような時代にあっても確実に上昇している。今静岡の場合は時給700円弱だそうです。マクドナルドはこれに近い賃金で人間を使っているわけですが、今のような時代になるとこれが結構気になるらしい。日本で「最低賃金」が経営者から見て目に付くレベルになりつつあるとは初めて知りました。

 日本のお酒の業界も、徐々に取引における電子化は進んでいるようです。小売店、卸し、そしてメーカーを結ぶ「EOS」(Electronic Order System)が入ってきているようで、昔のようにファックスで注文を出しあうといったことはなくなりつつあるようです。大手から導入されている。これは一種の専用線システムで、伝票の作成が今までの各段階ごとからかなり削減された。しかし、コストは専用線ですからかなりかかるようで、話を聞いていていずれインターネットに移行するのではないかと思いました。

 聞いていて面白かったのは、「在庫」の話。産業界では「在庫圧縮」が経営効率化の大きな流れですが、当然お酒の業界でもこれが進んできているそうです。まあデフレの時代ですから、在庫を抱えて良いことは何もない。インフレの時代には、在庫は価値が上がりましたが。で、「前日受注・翌日発送」が主流になってきているのですが、どうしてもネックになるのはロットの問題と発送頻度。この兼ね合いは難しいそうで、小生が素人考えから「発送には宅急便を使ったら」と言ったら、小売店はただの搬入ではなく倉庫の決まった場所への運び込みまで卸し業者に要求するのだそうです。まあ、小売店はおじいちゃん、おばあちゃんが多いから。だから、宅急便はだめ。

 コストはなかなか減らせないが、一方では酒の需要は飽和状態ということで、伊豆の酒卸し業者の7割は赤字だそうです。彼のところは大丈夫らしいのですが。まあ伊豆は観光が戻ってこないと駄目でしょうな。火山活動という特殊事情もありました。観光を含めた地域振興のメドはまだ立っていないそうです。

 まあ統計を眺めるのも良いのですが、経済は瞬時・瞬時動いていますからこういう生きた話を聞くのも、研究員の重要な仕事な訳です。(^_^)(^_^)
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 午後は新潮社の橋本記者が。今回は私の原稿ではなくて、彼が担当しているポール・アードマンの小説の金融部分に関する用語に関して。あらすじを読ませてもらいましたが、これはなかなか面白そう。実在しているか、実在した人物が次々に登場する。最終的にどういう題名で出版されるかはまだ知りませんが。


98年11月10日(火曜日)

名刺っていうのは、本当に貯まりますね。自分の名刺がなくなるわけですから、まあ常識的に考えてその分だけ入ってきていることになる。講演会に行く。名刺を幹事さん以下何人かの人と交換する。会合に出る。周りの人と名刺を交換する。しかも最近多いのは、私もそうですが、「勤め先が変わりましたから」と名刺を交換する。一人の方について、5枚、6枚と名刺が蓄積される。

 以前は業種別に分けて分別していました。しかし最近はそれを分けるのが時間がかかるので、何かの会合ごとに一種のまとめ保存をしている。そうしておくと、どこで会った人か分かるというわけです。何年何月何日の会合だったかを書いて。しかし何かもっと便利な保存方法はないものでしょうか。

 一人の人について何枚も名刺が貯まってくると、もしこの名刺に「ハイパーリンク」が機能としてあったら(^_^)(^_^)と思う。クリックすると順番に出て来るというわけです。打ち込まなくて光学的に名刺を読みとって、自然に分別してくれるソフトウエアというのは出ていないんでしょうか。光学的に読みとるのはハード的機能で、その機能が付いてなければソフトも動かないんでしょうが。しかし、最近名刺の増え方にねを本当に上げているのです。何かアイデアは.....?
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 結局忙しくてみれなかったのですが、今朝新聞のテレビ欄を見て「おんや」。なんと4チャンネルの日米野球に「メリルリンチ」の名前が冠として載っているではないですか。山一を買ったけどあまりうまくいっていないと聞いていたら、いよいよ「名前浸透作戦」に出たというわけですか。社会人になって初めてこの名前を聞いたときに、「なんと発音しにくい名前か」と思ったことを覚えています。この名前、昔は「メリルリンチ・フィアス・ペナー・アンド・スミス...」と言って、設立にかかわった人の名前が並んでいた。

 最近は「メリルリンチ」で統一しているようですが、この短い単語の中に「rri」の「リ」と「ly」の「リ」が二つあって、英語発声の勉強にはなるが、日本人にはなかなか発音が難しい名前です。企業の名前というのは非常に大切で、スタンダード・オイル・オブ・ニュージャージーが社名を変えるときにコンピューターを回しに回して「EXXON」を作ったのは有名な話です。世界中のどの単語とも重複していないこと、覚えやすいことなどが条件だった。

 しかし、この名前は結局日本では使われなかった。「クソ」の部分が日本ではイメージが悪かったからです。逆に日本の「カルピス」は、アメリカなどでは使われていないと聞いている。牛のおしっこと近かったんでしたっけ。車を見ても、日本の名前がそのままアメリカで使われている例はあまりない。微妙なニュアンスが商品価値、企業のイメージを変えるのです。

 で、メリルリンチの「名前浸透作戦」は成功するでしょうか。日米野球の時間を買ったのは、ナイストライではあると思いますが.....


98年11月9日(月曜日)

 Windows98を開発したチームにはちょっと悪いかもしれませんが、最近買った VAIO505G のOSになっていたこの基本ソフトと plus を使いながら、このOS関連で一番役立つのはデスクトップ・テーマとそのスクリーン・セーバーかもしれない、と思いました。普段はスクリーン・セーバーなどあまり気にしないし、興味もないのですが、今回の出張中や講演でいくつか 98plus にパッケージされているセーバーを試しながら、「結構使えるのがある」と思いました。

 これは Windows98 の plus を持っている人しか試せないので恐縮なのですが、例えば「野球」というデスクトップテーマのセーバーはなかなか幻想的でよい。これを講演会の前にプロジェクターを通して少し暗くした会場のスクリーンで展開したら、会場の雰囲気がかなり幻想的、かつ柔らかくなった。デスクトップそのものは音が入りすぎていて好きになれないのですが、セーバーはグッドです。あと「ジャズ」も使える。コンピューターはデータを処理するツールとして発達してきましたが、音や絵も使えると言うことから、今後はこうした使い方が増えるのではないでしょうか。付録のようになっている機能が、使う目的の主流になるのはよくある話です。コンピューターももっと遊びのところで使い勝手が良いものになって欲しいと思う。
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 日曜日に京都から帰ってくる新幹線の中の放送は、「皆さん携帯電話を忘れないように」でした。随分いるらしいのです。携帯電話やチケットを忘れて降車する人が。電源が入っていればあとで所有者が電話を鳴らして、「それは私のです....」とか言って、JRの係りの人も困っているのでは。電話を忘れられて困っているのはタクシーもそうです。電車は移動しませんから良いのですが、タクシーは移動している。もってきてと頼まれても...

 実は最近筆者も、はっと移動電話がないことに気が付いた。出張の直前でした。どこで落としたか分からない。で何をするかって。迷惑もかえりみず、とりあえず鳴らします。誰か出てくれることを祈りながら。一回目は駄目、二回目で人が出てくれた。その時の会話のぎこちないこと。「済みません.....実はその電話は私ので....」。でもこれって拾った人にも迷惑なことは明確。他人の電話に出ているわけですから、出ている方にも若干の躊躇とかたじろぎとか、罪悪感がある。お互いにぎこちないことになる。

 その時は、拾った人がある店の人だったら良いが、通りがかりの人だったらやっかいですね。交番に届けてもらうか、どこかで会うか。その時のお礼は.....。小生はまだその経験はないのですが。道に落ちている電話がびーびー鳴ったらどうするか。急いでいるときはかかずらわりたくない....と思うのが普通でしょう。一回電話を取ったら、数分間はしばられる。だから、道ばたでびーびー鳴っている電話には出くわしたくない、と思う。

 しかし私は思うのですが、携帯電話をなくしても取り戻す方法は、唯一電源をいつもオンにしておくこと、バッテリーを十分残しておくことだと思う。なくしても鳴らせるように。だから、マナーモードも実は良くない。バイブレーションだけの。あれは普通は気が付かない。電源の入っていない携帯電話をなくしたらそれはもう戻らないと覚悟した方が良いように思います。携帯電話は便利だけれども、頭痛の種ですな。
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 MOFの知り合いからメールが多い日でした。勉強会の仲間でもあり、海外広報を担当している知原さんからは、

 いかがお過ごしですか。今週から大蔵大臣の記者会見の模様が大蔵省のWebsiteで見られるようになります。原則として会見の翌朝に掲載されます。第一回は10日(火)の閣議後記者会見が、 11日(水)の朝に見られます。

 大臣の記者会見は原則毎週、火曜、水曜、金曜に行なわれます。どうぞご活用ください....

 とメール。11日の朝はちゃんと覚えていれば、行ってみると面白そうですな。


98年11月7〜8日(土〜日曜日)

 関西は土曜日、日曜日と雨も降らずにまずまずの天気。特に日曜日は素晴らしかった。土曜日は関西の仲間とプライベートで比良ゴルフクラブというゴルフ場で芝刈りをしましたが、天気予報とまったく違って雨も降らずにまずまずでした。久しぶりにパットが調子が良くて、18ホールのうち9ホールで one put だったのは自分でも「出来過ぎ」と思いやした。もっとも、オリンピックなどいろいろチョコレートを賭けていましたから、寄せワンを心がけてあえて par on を狙いませんでしたから、そうなったのでしょう。

 ゴルフには二つ楽しみがあって、一つは歩くということ。まあ大体一度行くと8キロは歩く。二つ目は、仲間との賭けです。チョコレートを賭けての。これをやると盛り上がるし、頭も使うし、いろいろな技も身に付く。でもプロの世界で「パットはマネー」というのはアマの世界も同じ。ゴルフというとドライバーから練習する人がいる。私はその考え方には反対で、パットなど短いショットから練習すべしという意見です。短いショットの方が、断然回数が多い。回数が多いショットから練習するのが自然です。
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 夜は多分初めてだと思うのですが、週末の京都を見学しました。休みの店が多いのかとお思ったら四条大橋の周辺など、多くの店は開いていた。そりゃそうだ。観光地ですから、週末ほどしっかり店を開けてお客さんに来てもらわねば。

 京都は物価が高いと思われているようですが、小生の感覚から言うと、むしろ東京より安い。夜飲みに行ってもそれほどとられない。まあ知っている店しか行きませんから。この町は、「知っているか、知らないか」で全然違う。「顔」が効く、「顔」が必要な町だと思います。町全体が人見知りしている。観光客が多い割にはです。
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 向井さんやグレンさんを載せたディスカバリーが無事帰還しましたが、今回のディスカバリーの飛行で一番面白かったのは、グレンさんでもなく、向井さんでもなく、それぞれの国の報道ぶりです。一番笑ったのは、確かCNNを見ていて「あれ」と思ったのですが、実は今回のディスカバリーには初めてスペイン人の飛行士が乗っていたらしいのです。知らなかったでしょう。日本ではほとんど報じられていない。

 ところが、スペインのテレビは向井さんなど全く取り上げずに、もっぱらこのスペイン出身の宇宙飛行士の話しか報道していないのです。たまにあってグレンさんに関する報道。実は、アメリカのテレビでも唯一の女性である向井さんを取り上げることはほとんどない。一方で日本では、まず向井さんがきて、その次にグレンさんが登場する。

 飛行機が落ちたときも、どの国もまず自分の国の人間に関心を払う。これは日本でもアメリカでも同じです。世界の区画のもっとも分かり易いものは「国」ですから、まずこれが前面に出る。人間の関心は、まず身の回りからスタートするのですから、ある意味でこれは当然です。

 しかし、こうした一例だけを見ても、いかに報道というものが「重心の置き方」で変わってくるかが分かる。同じディスカバリーに関する報道でも、スペインの人たちが描くそれと、日本人が描くそれとは大きく違うと言うことです。人は自分の関心のある分野や「快楽情報」につい関心を集めがち。これはネットワークの時代になっても同じです。というか、ネットワークの時代は様々な問題に関する解釈を一方向に傾ける役割を持っている危険性もある。この点だけは注意したい。やはり報道はいろいろな角度から見ないと。


98年11月6日(金曜日)

 期待して行った堺には、一つがっかりしました。歴史を大切にしていないのです。街として。歴史の教科書にはかならず登場する町です。日本の武家社会時代において、典型的な商人の町を形成し、武家の権力に抗する力を持った町。南蛮やアジアとの交易、そして多くの文化人を生んだ町。

 しかし、こうした歴史をこの町は大切にしていないと思う。地図を見て、こことこことあそこに行きたいといったら、「伊藤さん、がっかりするからやめた方が...」という答え。それでも行きたいといって、千利休の生家跡、与謝野晶子の同、それに港の灯台を見たのです。

 まあその味気ないこと。千利休の生家跡は、芝の生えた更地にちょっとした印がある程度。周りには何もない。もっとひどいのは、与謝野晶子の生家跡で、これは大道筋という昔の大通りの道ばたに一つ鉄板で「ここがこうで」と書いてあるだけ。堺に歴史を見ようと思ってきた小生にはちょっと正直ショックでした。堺東駅の周辺の色気のないことはよいとして、堺はもっと歴史を大切にすれば良いのにと思った次第。灯台にもがっかりした。

 ただし皆さん講演は熱心に聞いてくださった。お年を召した方でも、小生のインターネットのURLを熱心に記録してくれたりして。それから、蒸し蕎麦を食べました。温かい蕎麦なのです。それを卵を落としたたれに付けて食べる。これは変わっていた。冬に良い印象。
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 通信の面から見たホテルの環境はかなり整ってきたというのが今回の出張の印象です。実は京都では去年に引き続き、駅の近くの京都センチュリーホテルに泊まったのです。会社の関係もあって。去年は講演会・宴会もこのホテルだった。ところが、PHSは地下で通じない、電話回線もゼロ発信でトライしたが駄目。結局、去年は一部 power point に置き換えてやったのです。その時、ホテルには「こうこうこうですから、今後よろしく....」と言っておいた。

 で今年はどうなったかなと思ったら、ちゃんとフロントにコンバーターが用意されていて、それをコンピューターにつなげると一発で外部のネットワークにつながる。都内の多くのホテルはコンピューター用の電話ジャックを備えるところが多くなっていて、それが世界的に主流なのですが、まあそこまで行かなくてもコンバーターがあれば対処は出来る。便利になったものです。あとは回線速度ですかね。でも、そこまで言うとちょっと言い過ぎだと思う。
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 面白い話を聞きました。関西では、あちこちで「保存会」が出来てるそうだ。例えば、「北新地保存会」。何か。昔は、北の新地で飲み屋(バーの類)が一軒廃業すると、すぐに同じ種類の店が入って、飲屋街を維持した。しかし最近は違うのだそうです。例えばバーが廃業する。そうすると、そこに超安いカラオケ屋とか、一階だったら回転寿司とかができる。

 どうなるかというと、「北の新地」が「新地」ではなくなってしまってきている。そこで「保存会」の登場となる。しかし、その「保存会」がどのくらい昔の町並みを維持するのに役立っているかは不明だそうです。大体そんなものができること自体が、町の衰退を意味している。確かに、大阪の町も4〜5年前来たときと随分と雰囲気が変わってきました。別に新地を懐かしんでいるわけではないのですが、町に夜のとばりが降りるのが早くなった印象がする。これは寂しい。


98年11月5日(木曜日)

 京都は底冷えがします.....とか書いたら、「それは全国的なこと...」と言われそうですが、とにかく寒い。夜の9時前後でタクシーの窓から見えた温度計ネオンサインでは、「14度」とありました。コートがあっても全く不思議ではない。まあ、今夜は別に京都だけでなく全国的に寒かったんでしょうが、京都の冬の「底冷え」を予感させました。
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 会合が開かれたのは嵐山のちょっと上にある「嵐亭」という旅館。嵐山から歩いてすぐですから、文化財保存の対象地域。当然、建坪率から何から厳しく制限されていて、その昔この旅館が川崎造船の所有者の別邸だったころの面影を色濃く残している。旅館の人に聞いたら、全部で宿泊者用の部屋は22しかないそうです。落ち着いた、風情のある良い旅館です。値段を聞いたらそれほど高くない。京都市内の、その他の地域とあまり変わらないホテルに飽きた人には良いかもしれない。紅葉はまだ始まってはいなかった。

 そのほとんどが去年と同じメンバー(京都の大手、個性のある企業の最高経営者)ですから、気はかなり楽ですし、今年は講演後のパーティーで一人一人とゆっくり話が出来て、やはり二回目は違うと思いました。こういうのが数年続くと、メンバーとはかなり親しくなれるんでしょうね。もう一部の方とは、東京で食事をする約束までできました。ただ講演して、そして帰るのでは面白くない。こういうつながりが出来るのが良いのです。去年は地下の講演会場で難渋しましたが、今年は一階の講演会場でインターネットを使ってやる講演も順調でした。

 それにしても、VAIOの505でやる講演では、一緒にもっていくものが多い。外付けのコネクターが外部モニターとコンピューターを結ぶためには必要で、朝出かけるときにこれがないことに気づいて一回会社に立ち寄るなど、えらい時間がかかった。
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 京都の景気は悪そうです。何よりも、人が動いていないのは夜の街にならぶ無数のタクシーで分かる。祇園などは車がなかなか動かないので渋滞かと思ったら違うんですな。空車がずらっとならんでいて、それが車の移動を妨げている。まあ、新宿の靖国通りで起きているような事態です。

 経営者の方々の口からも、「今回は違う」とか「困りますな...」とかいう言葉が多く聞かれました。10月に入って一段と悪くなった、という認識でも一致しました。これから出てくる車、デパートなどの10月の数字はかなり悪くなるでしょう。そうなんですが、少し話を聞いていくとかなり慎重に、自社の独自性やカラーを変えずにしっかりやっているところもある。こういう時こそ経営者の資質が問われると言うことでしょう。
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 講演会、舞妓の舞が入る落ち着いた宴会のあとは、その宴会に来てくれた舞妓はんやお姉さまにお礼するために、一力亭に行って軽くうどんを食べて、そして彼女らが経営する何件かの店に行くのが恒例ですが、あの世界はいつも雅で良い。有名なお姉さんの昭和38年の京都を代表した舞妓の欧州旅行(5人で行って大変な話題になったことが当時の新聞記事で分かる)の話で盛り上がりました。本多宗一郎さんの豪快な遊びの話が出たりして、面白かった。昔は豪気な遊びをした人がいたんですな。


98年11月4日(水曜日)

 大統領を持つ党が中間選挙で「勝利」に値する議会選挙での議席増を達成したのは、1934年以来だという。次の時代への代案を示せず、レベルの低いスキャンダルに選挙戦を持ち込もうとした共和党の完敗である。筆者は今年の9月21日に以下のように書いた。

 日本のテレビまでクリントンの証言ビデオを流し始めた。ひどい単語がいっぱい登場する。あんなものを公表するとは、ちょっと常識を疑う。のぞき見趣味以上の何物でもない。あのビデオを見て、「大統領の偽証の意味合い」を深く考える人がいるとは思えない。たぶん、えげつない言葉を聞いて、「そういえば、そういう単語もあった」程度に思うだけだろう。スターの報告書も、クリントンのビデオも、読むにも、見るにも値しない代物だと思う。もっと考えなければならない問題は山ほどある。

 特に日本のマスコミまでが、夜の貴重な時間を使って延々と流す意味は何もない。さっきちらっと見たら、「性交渉」の定義を延々とやっていた。ばからしい。社会通念を最後まで定義しようとしたら、100年かかる。小生に言わせれば、他人のなんとかライフなどどうでも良い。たぶんクリントンは辞任に追い込まれないだろう。アメリカ国民も、「ばかばかしい」と思いながら、時間潰しに見ているに違いない。

 カリフォルニアで州知事選挙を勝ち、上院で一議席も共和党の議席を増やさず、下院では5議席も増やした民主党は、上院、下院のどちらでも過半数を取り戻すことは出来なかった。だから、議会における弾劾の動きが完全に止まったわけではない。しかし、共和党は「クリントン問題」しか争点に出来なかった不明を恥じるべきだろう。共和党で唯一明るい話題といえば、Bush Brothers の州知事選挙での活躍だろう。これは私の直感だけれども、アメリカ国民はブッシュ前大統領に「わるいことをした」と思っているのではないか。もっと評価されて良い大統領だったのに、人気が出ずに座をクリントンに奪われた。二人の息子への国民的支持は、彼らの父親へのアメリカ国民の済まない気持ちが表れているように思う。「ゴアーブッシュ」の戦いは面白いが、これはまた政治家ファミリー同士の戦いでもある。
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 最近思うのは、実は知らず知らずに「過去の残映」の中で物事を見る癖が付いているのではないかというちょっとした危機感である。例えば、「失業率が4.3%で戦後最悪」などと聞くと、これは大変だと一瞬思う。しかし、考えてみればこれだけ大きく産業構造が変わっている中では、このくらいの失業率はあって当然だという考え方も成り立つ。問題は、この4.3%に入っている人たちが、また労働市場に入れるような能力・資格を得られるような環境(自助努力を含めて)に置かれているかである。数字に驚くのではなく、「次の展開」がもし開けていないとしたら、そちらに方に驚くべきではないかという点である。

 人間誰しも今まで自分が通ってきた道が正常で、それからずれる今がおかしいと思いがちである。しかし、過去がそうであったのは一定の環境があったからであり、その環境が崩れれば違う現実が登場するのは当然である。筆者は、過去のシステムが残っている中で今の日本のように激しく産業構造が変化すれば、失業率が高まるのはある意味で自然だと思う。これを率を下げるだけを目的とするような政策を採るべきではない。重要なのは、雇用を求める方も、公的機関も「次の雇用の場」はどのようなもので、そのためには何をしたらよいかを考え、それを実行することだと思う。今の日本は一方では酷い人手不足が生じ、一方では人手余剰が生じている。

 失業率だけではない。成長率やあらゆる経済統計の意味を考え直す時期に来ていると思う。過去の残映を頭の中に残さずに、それぞれが今の経済の中でどういう意味合いがあるか。これは結構骨の折れる仕事だが、進めると新しい世界が見えてくるような気がする。
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 金融機関に関する日本の最近のニュースは、組織に関するものが多い。どこかとどこかが提携したとか、合併するとか。しかし、当然ながらビッグバンはまたその業界に働く一人一人のビッグバンでもある。人が激しく動く中で、実質的なものになる。というわけで、今週金曜日の「Roundup World Now !!」(ラジオたんぱ 午後11時40分 第一)では「ビッグバンの中でのある人の決断」をお送りする予定です。お楽しみに。ネットの世界でもお馴染みの人の登場です。


98年11月2〜3日(月〜火曜日)

 中途半端だけれども、休みはないよりあった方が良い。2日の夜の街は久々に人が多く出ていました。まあ、人が多いところに居たということもありますが。全般的に年齢層の低い連中が多かったような気がします。六本木と新宿ですから。それにしても、11月はさすがに寒い。コートを着ている人を見ても、不思議に思わなくなった。

 今週は木・金・土と京都・堺への出張が入っていて、ラジオの番組の一つは休んだり、もう一つは事前収録したりと、いつもとは違う予定。毎週何曜日かに決まって予定が入っているのは、予定を決めやすい面と、動きづらい面の両方があるのですが、この出張は予定をこちらで決めるわけにはいかないものでしたのでこうなった。

 京都に行くのは昨年もあった同地の財界人を集めた会合の為で、私がメインのスピーカーなので、何を喋るか、紙だけで行くのか、power point を使うのか、もう一ついってインターネットを使うのかなどをこれから決めなければならない。むろん大体の構想は練ってありますし、機材も揃えてもらっているのですが。まあ、外せないのは過去2ヶ月の金融市場の大きな混乱がどうして起きたのか、今後どうなるのか。それに日本経済の現状と展望でしょう。

 どういう人が来るかが分かっている講演会はある意味でやりやすい。年齢層とか、知識・関心レベルとか。私の場合は、あまりばらつきのある講演会はしたことがないのですが、これがばらけていたら大変でしょうね。通じると思った冗談が通じなかったり。(^_^)(^_^)


98年10月31日〜11月01日(土〜日曜日)

 土曜日から日曜日の夕方まで、山梨県の小淵沢のあたりをうろうろしていました。まだ真っ盛りとは言えませんが、紅葉がかなり進んで綺麗でした。天気もよく。週末二日も天候に恵まれたのは久しぶりではなかったでしょうか。芝刈りをしながら丘陵を歩いたり、バーベキュー・パーティーをしたりと。
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 ところで、先日地下鉄「銀座線」に乗ったら、その吊り広告に仰天しました。「ぜんぶ、シンガポール」のキャンペーンが車両全部を占めている。隣の車両を見ても同じ広告。その反対側も。よく覚えていませんが、コロニー・エリア、アラブ・エリア、中国エリア、インド・エリアの四つを魅力の中心に、「シンガポールにいらっしゃい....」という宣伝。

 「ぜんぶ」にあわせて多分この列車の全車両の吊り広告を買い占めているのでしょう。クリスマス、アラブの正月、中国の正月と続く3ヶ月は、シンガポール観光の狙い目だと宣伝している。この広告を見ながら、一つの数字を思い出していました。

  1. フランス 6000万人
  2. アメリカ 4300万人
  3. スペイン 3100万人
 一年間にそれぞれの国を訪れる観光客の数です。フランスは、一年間に人口より多い観光客を受け入れていることになる。で問題なのは、日本です。たったの400万人。確かに極東の島国である日本が、欧州各国や大きな国土を誇るアメリカに負けるのには理由があるように思う。しかし、例えば香港には1000万人の人間が毎年訪れているし、シンガポールも年間600万人の観光客を受け入れている。両方とも、極めて小さい地域であるにも関わらずである。

 シンガポールへの観光客が日本をはるかに上回っている背景には、私が地下鉄で見かけたような努力があるのは間違いないでしょう。年間その国を訪れる人の数が多いということは、その国に落ちるお金が多いと言うことである。ホテル、交通、土産店などなどが潤う。当たり前の話だが、より多くの観光客に来てもらった方がその国にとっては良い。
 日本はそれほど魅力のない国だろうか。歴史はある、誇れるものはいっぱいある。国は綺麗だし。にもかかわらず、なぜ400万人しか来ないか。理由の一つは、キャンペーン不足だと思う。日本政府は、シンガポールが日本の銀座線の地下鉄でやっているような努力をしているだろうか。多くの国は、観光は「省」が扱っている。悪くても「局」だ。しかし、日本には観光を扱う「省」も「局」もない。「課」があるだけだ。

 観光客が来る来ないなど、大した問題ではないと思う人がいるかもしれない。違うのである。人が来る、お金を落とす。資本が来る、工場が出来て雇用が生まれる。なんでも何かが「来てくれる」というのは有り難いことだし、IMDは世界における新たな競争条件に、「資本や人がその国にどのくらい来てくれるか」を加えている。実に重大なことなのである。日本に年間400万の人間しか来ないと言うことは。

 たぶん、日本の物価はかなり調整されたのに、世界での日本の評判は「世界一の高物価国」というものだろう。「だから行きたくない」という外国人は多い。見るモノがないというのは嘘だろう。たぶん、宣伝が出来ていないのだと思う。地下鉄「銀座線」のシンガポールに関する吊り広告を見れば、「また行ってみたいな」と思う。人間なんてそういうものである。

 あと日本人に必要なのは、「笑顔」だと思う。肩が触れる。怒るのではなく、お互いに笑顔で謝りあう。何かを持ってきてもらう。小さな笑顔を作って、「ありがとう」という。そういう一つ一つの努力が、この国を魅力的なものにするのだと思う。最近の電車に乗ると、特にそう思う。日本という歴史も、近代技術でも誇るものがあり、安全な国だったら、年間1000万人くらいの外国人が来るようにしなければ。


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