<Matsui in NEW YORK-Cyberchat>

このコーナーはニューヨークに渡った松井の活躍と挫折(?)をトレースするために作ったサイトです。ニューヨークには筆者は4年間住みました。70年代から80年代にかけてですが、今でも好きな街です。レストランもいけてる店が多い。彼の渡米からその後を新しい情報を載せていく形で掲載します。彼のメジャー初年である2003年の活躍、挫折に関する記事はここにあります。その他の野球に関する関連サイトはここの夢舞台です。Take me out to the ballgameのサイトもどうぞ。
脳裏に刻まれた右中間最深部への放物線、といっても緩んだそれではない。実にシャープな、そして最後まで勢いを失うことのなかった白いライン。これは忘れません。
周りの人間からアンビリバボと言われながら、ファンクラブ代表(私は会長)の佐々木君と二日連続して行った東京ドーム。良い記憶を有り難う。去年もニューヨークまでヤンキース・マリナーズの試合を見に行きましたが、その時はイマイチ。しかし、今回は彼が日本でのMLB開幕2連戦シリーズMVPと言っても誰も文句の出ない成績。Congratulations..........
松井は当たっていました。30日の第一打席の右中間への二塁打も、あっという間にフェンスに届いた。31日の第一、第二、第三、第四打席の打球も、すべて真で捕らえていた。最初がライトへのライナー、次が痛烈な当たりの1−2塁間打点付きヒット、次が完璧な当たりのHR、次がセンターの一番深いところに角度の良いあわやいりこのフライ。右左どちらかに角度を変えていればHR。
開幕第二試合でHRが出て、打点も3、打率が333でニューヨーク帰れるというのは、最高でしょう。インタビューで松井は「今年は期待して下さい」を2回言っていた。アナウンサーが言わせた面もあるが、しかしあのいいっぷりは相当自信があると見た。
彼が31日の試合の第三打席でHRを打ったときには、隣にいた松井ファンクラブの佐々木君と盛り上がっちゃいましたよ。むろん、私たちだけではない。球場全体が沸きにに沸いた。良いことだとは思わない。しかし、レストスタンドからウェーブが起きたときには、自然に参加しちゃいました。それほど嬉しかった。いつもはクールな我が家のガキも友達と嬉しそうだった。そりゃそうだ。自然な感情ですよ。試合後のインタビューの内容も良かった。
それにしても、二日間のドームでの試合は、今年のヤンキースの強さ、弱さが良く出た。強いが気分屋の面がある打線、いつも不安の残る投手陣。どうでしょうかね、松井が望むワールド・シリーズ制覇は。大体左の先発がいない。クレメンス、ペティット、ウェルズが抜けたあとは大きい。
それにしても、日本で2試合しかない公式試合の一つで、きっちりHRを打つ。力が付いてきているな、と。A.ロッドも影が薄かった。ポサダの右と左のHRもなかなか見れない。トーリが最後にリベラを出したのも、調整60%、40%ファン・サービスでしょう。最初の試合は負けましたが、ヤンキースのデビルレイズを帯同しての(本当は逆ですが)来日は、成功だったということです。
以下に、31日の東京での試合結果を伝えるニューヨークの新聞の抜粋を掲載しておきます。ニューヨークの新聞社の方々、抜粋ですから、また出所を明らかにしておきますから、お許しを。私がうまい...と思ったのは、ニューヨーク・ポストの「Matsui left a Giant and returned a giant.」です。彼は本当にでかくなった。
(ニューヨーク・タイムズ Yankees Bounce Back and Rout Tampa Bayから) With one out and a runner on base in the fifth, Matsui came to bat. He had singled in a run in the third inning, but the fans clamored for more. They rose and yelled for him, banging their thunder sticks and popping their flashbulbs, then sat and waited for a bit of the old sizzle. It had been the same routine for seven at-bats in this series, but this time, Matsui delivered.★松井、不調な期間を経て3割回復(2004年05月05日記)Gonzalez challenged Matsui with a 1-2 fastball, and Matsui blasted it high over the right-center field wall. It was an obvious homer, and Matsui slowed to a trot almost immediately. As the roaring and stick-banging shook the Tokyo Dome, one fan in a business suit bowed to Matsui from his seat behind home plate.
(ニューヨーク・タイムズ In Traffic, or on the Field, Matsui Handles the Attentionから)The Yankees knew Matsui was incredibly popular in his native country, but they got the opportunity to witness just how intense the love for him really is for the last several days. The shrieking that Matsui hears when he merely trots out of the dugout has a rock concert feel to it. Think Elvis. Think Bruce. Think loud, unbelievably loud.
(ニューヨーク・ポスト MATSUI LEGEND GROWS -Joel Sherman) Only an entire nation had turned its lonely eyes again toward Hideki Matsui, bigger in his home country than Joe DiMaggio ever was in the States. It might have been the early a.m. in New York with working folks just stirring this morning. But it was primetime in Japan. Which meant it was Matsui time, so great is his appeal here. So huge is his star.
(同)You have to understand that as the ball carried 20 rows into the right-field seats it carried the joys and aspirations of an entire baseball-mad society.This was the most important athlete this country has ever produced coming back as a Yankee - a New York Yankee - and proving in this poignant fashion that he is major league in every way.
(同)Matsui left a Giant and returned a giant.
(ニューヨーク・デーリー・ニュース Matsui's big blast excites home fans, Yanksから)"To be able to hit that home run - I don't care if it's batting practice and you know what's coming - that's pretty incredible," Alex Rodriguez said of Matsui's blast. "You get caught up for a minute in something like that, being a fan. To come here and perform on demand like he did is pretty awesome."
(同)"He's very proud more than anything else that he came home and didn't disappoint the fans," Torre said. "Now if they don't mind, we'll take him home with us." (同 Bombers save face; Matsui fixes opening faux pas )On the 12-hour flight back to familiarity, the Yankees better make sure Matsui has all the hot towels he can possibly need. He was a super ambassador, an even better teammate. Is there any chance the Yankees can sign him for eternity?
(同)He keeps this up, and "Home run Mat-sui" might replace the national anthem. On this team of glittering stars, none stood bigger than the son of a shaman from tiny Kanazawa, in the Ishikawa Prefecture.
It must be heavy, carrying the expectations of 125 million on his broad shoulders. Matsui wears them like a silk kimono. His dinger off Jeremi Gonzalez sailed so perfectly into the right-field stands, it appeared to have been choreographed in synch with all those chants.
"I think you have to stick a pin in his arm to get a reaction," said Joe Torre, who observed Matsui closely in countless situations which could have required mob police. He was hounded on Tokyo streets, honored in elaborate ceremonies, required for a gazillion interviews. Without fail, said Torre, Matsui was polite, gracious, bursting with humor.
東京で華々しい活躍をした松井。しかしその後は不調だった。東京で2試合オフィシャルな試合をし、その後にフロリダに戻ってまたオフに戻って調整し、それからまたオフィシャル・シーズン入り。そりゃ調子は狂います。
しかし5月4日(対オークランド)の打率3割回復までに成果がなかったかと言えば、そうでもない。まず去年からの念願だった「レフトへのホームラン」が打てた。5月1日の3号ホームランです。これはホームのヤンキースタジアムだったと思った。
5月5日の朝日新聞のスポーツ欄には「語る 松井秀喜 from U.S.A」という記事があって、ここでも彼は5月1日のレフトへのホームランに触れている。
5月1日に打った3号本塁打は左方向でした。前回、左中間方向への強い当たりを意識していることに触れました。あれは、練習でということ。試合になると、打球の方向を意識することはほとんどないです。ということは、練習通りのバッティングが出来たと言うことです。松井はその他にもいろいろ言っている。
「(4月のチームが不振だったことに関して)チームは苦しみました。しかし、チームの雰囲気は悪くなかった。ジーターなんて32打数も無安打だったけど、ロッカーでは平気な顔をしていました。そんな中、僕はたとえ打てなくても、いらいらした姿は見せないように心がけていました。」「勝たなきゃいけないけど、選手一人一人が出来ることはそんなに大きくない。どんな状況であれ、常に自分ができることを精一杯やることが大事だと思っている」
「東京ドームでの開幕シリーズは、僕にとって思い出に残る試合となりました。第一打席で二塁打、二試合目に本塁打を打てたのも、大声援で後押ししてくれたファンのおかげです。」
「まだ25試合。残り138試合ですから、これから日本のシリーズが始まるのとほぼ同じです。」
などなど。彼は一つ余計なことを言っている。「ところで、日本では慎之助(巨人の阿部)が打ちまくっているそうですね。彼に何が起こっているのでしょうね?.....」と。ははは、そりゃ阿部にもわからんのじゃないかな。
とまれ、調子の出てきた松井。あの重量打線の中でしっかりと存在感を示して欲しいものです。
★松井、5月を絶好調で終了(主要部門でチームトップ)(2004年06月02日記)
松井は5月のロード期間中に数字から見ても素晴らしい成績を残した。それ故に、打率は320を上回ってチーム1、打点が30で同、四球獲得数も33でチーム1。ホームランも8本で、昨年のペースを大きく上回る。
特筆すべきは、得点の41だろうか。むろんチーム1。打点より遙かに多い。ということは、松井の出塁(主にヒットと四球)が、チームの得点になっているということ。素晴らしい。
こうした努力の積み重ねの結果は、週間MVPという栄誉。以下は6月2日のネットに乗った読売新聞の記事の一部です。そうでしたね。昨年は6月が不振から抜け出して大活躍した時期。今年はなにもかも早い。
打撃好調の松井秀、ア・リーグ週間MVPに★6月ダメだった松井秀、7月2日の交流戦は最悪(2004年07月03日記)【ニューヨーク=田中富士雄】米大リーグ、ヤンキースの松井秀喜外野手が1日、ア・リーグ週間最優秀選手(MVP)に選ばれた。昨年の6月23―29日期に続き、自身2度目の受賞となった。
今回の対象期間(5月24―30日)、出塁率6割5分5厘と12得点はリーグトップ。特に出塁率は、今季のリーグ最高をマークした。また、21打数11安打で打率5割2分4厘、2本塁打、7打点、7四球、20塁打など、ほかの打撃各部門でも上位につけた。
松井秀以外の受賞候補者は、打者が打率5割8分3厘のマーク・コッツェー(アスレチックス)、3本塁打のオーブリー・ハフ(デビルレイズ)とマニー・ラミレス(レッドソックス)ら。投手は、2勝0敗で防御率0・68のビクトル・ザンブラノ(デビルレイズ)らだった。
松井秀は6月はダメでした。去年はあんなに良かったのに。肝心なところで打っているのでそういう印象はしなかったが、打率はレギュラークラスでは最悪。2割ちょっと。守備にも精彩がなかった。7月に入ってどうかな、と思ったら7月2日のメッツとの地下鉄シリーズ二巡目の第1試合は最悪でした。以下のニューヨーク・タイムズの記事が面白い書き出し。
When the Mets and the Yankees get together, the differences can be painful for Mets fans. The Yankees have 26 titles; the Mets have two. The Yankees have classic, unchanging uniforms; the Mets, appropriately, alternate caps between black and blue. The Yankees have the good Matsui; the Mets have the bad one.何せこの試合、松井秀は最初のイニングに手痛いエラー。左中間の打球を捕れたのにグラブの上部に当てて落球。メッツに先制の2点をあげるお手伝い。加えて、打つ方では4−0。このニューヨーク・タイムズの記事にもあるが、今までの松井は「well-rounded」(何にでもバランスの良く取れた)選手として、「良い松井」とされ、エラーが両リーグ一で打率も.250前後のメッツ「悪い松井」に比べて優等生だった。
ところが、この一戦は全く立場が逆転した。この文章に続くニューヨーク・タイムズの記事は、「the roles reversed」と続く。
Last night, the roles reversed. Hideki Matsui took bad routes in the outfield, dropping one ball and misreading another, and went 0 for 4. Kazuo Matsui made a dazzling play on a grounder in the fifth inning, throwing out Jorge Posada from the grass across the second base bag, and had his best offensive day.と。なにせ松井稼頭央は、2回に3ラン、あと6回かな2ランと日本のHRを打って、守備も加齢、おっと華麗だったな。ヤンキースタジアムでの交流戦一巡目は、松井秀の方が2本HRを打ったし活躍した印象がしたのですが、二巡目の初戦はダメ。ま、日本人としては、せっかく見ているのだから日本人選手が活躍するのは、しないより良いことですが。これで松井稼頭央の人気が出てくれれば良いのですが。
★松井、今年もオールスター出場。加えて七夕に16号(2004年07月08日記)
メジャーリーグのHPから、私も3票入れました。それが大きかったんでしょうか(笑)、松井が去年に続きオールスターに選出されました。ファン投票による32人目の選手として。日本時間の8日午前10時発表。良かった。
良かったと言えば、松井が昨年一年間で打ったHRは16本。今年は試合数から見てもその半分、折り返し地点の7月7日に第16号を打った。ヤンキースタジアムでバックスクリーン右への大きな当たり。
7月に入っても松井の体は重たそうだった。前日もノーヒット。しかし7日は第1打席でHR、第二、第三打席でともにセンター前のヒットで3安打(4−3)。打点も伸ばして55。数字を見ればヤンキースの中でも間違いなく枢軸打者。トーリはシーズン前に、「今年は20〜25本」って言ってましたっけ。うーん、もっと行きそう。30本台に乗せて欲しい。最後にトーリの松井評を。日本での10シーズンに332本(2002年の50本を含めて)を打ってホームラン・バッターとして大リーグに来たが、「彼は違っていた」とトーリは言う。
Although Matsui came to the Majors with a reputation of being a homer-hitting machine (he hit 332 in 10 seasons in Japan, including 50 in 2002), Torre has been impressed with the gritty game that Matsui has carried with him to the big leagues.「彼はスポットライトガイではないし、自分がどう見えるかも気にしない。ただ彼はやらなきゃならないことをしようとしているだけ。いつも気持ちよく見れる選手ではないが、自分がしたことを理解できる」とのトーリの判断。ずっと「プロ好みの選手だった」と言っているに等しく、評価は高いと言える。"He's been different. He isn't a spotlight guy who needs to hit home runs and jog around the bases," Torre said. "He doesn't care what it looks like, he just wants to get it done. He's not always pretty to watch, but he knows what he's doing."
★2004年8月、松井は明確に上り調子(2004年08月07日記)
前回の書き込みから約一ヶ月。HRが何本増えたか。ニューヨーク時間金曜日(6日)で、22号、打点は76、打率は301。松井の調子は明らかに上り調子だ。例えば直近の2試合で3本のHR。しかも21、22号は金曜日の対ブルージェイ戦に2打席連続で打ったもの。
ヤンキースは11対4で勝利。この結果、アメリカン・リーグ東地区で第二位のボストン・レッドソックスとのゲーム差は今季最高の10.5に広がった。このヤンキースの大勝利、松井の大活躍に関してニューヨーク・タイムズの記事は面白い。見出しは、「Matsui Thunders and Yanks Roll」。thunder という単語がいいですね。記事の終わりの方には、明らかに松井を「ホームランバッターでもある」ことを認める記事がある。トーリ監督の言葉も興味深い。
But the offensive star was Matsui. As the Yankees build offensive momentum on this homestand, Matsui has graduated from steady to spectacular. In eight games, he is 14 for 30 with three home runs and 10 runs batted in.(最近8ゲームはバカ当たり)何本まで彼のHRは伸びるのか。今年は楽しみです。30打ったらアメリカでも立派なHRヒッターです。Torre said Matsui has become more aggressive and is a different hitter than last year.(松井は積極的で去年のバッターではない、とトーリ)
"I haven't changed that much," Matsui said through a translator. "I'm getting to know the pitchers better. That's the biggest difference of all."(松井らしい回答だ)
Matsui had never homered more than once in a major-league game, and his second last night - a more modest shot that landed in the lower right-field seats - earned him the encore from the fans. When they stood and cheered on his next at-bat, he banged an opposite field single to left to drive in two more runs.(一試合6打点はそりゃ凄いでしょう)
"The cheers were awesome, " he said, "and it always adds energy."
On a Yankees team of stars, Matsui's contributions and quiet demeanor often do not generate the same hubbub. With 22 home runs and 78 R.B.I, he is on his way to improving upon the 16 home runs and 106 R.B.I. of his first major league season after 10 years in Japan. The Yankees thought they had surrendered a slugging Matsui, who hit 50 home runs two seasons ago, for a line-drive hitter.
They might have received both.(つまり、ホームランバッターでもあり、ラインドライブヒッターでもある、と)
★2004年秋、松井は絶好調(2004年10月17日記)
ちょっと時間が空きました。「今年は楽しみです。30打ったらアメリカでも立派なHRヒッターです」と書いたら、彼はやってくれました。レギュラー・シーズンが終わって、松井は31本のHRを打った。特に最後の10試合での追い込みが素晴らしかった。打率は298。最後の試合でヒットを打てば300を取れた惜しい打率。まあ進化する松井にとっては来年に向けた課題でしょう。一つくらい課題が残った方が良い。
打点は去年を上回る確か108。打点、ホームラン、打率などなど打者の枢要な数字では全てチームのベストスリーに入っている。ロドリゲス、シェフィールドとともにチームを引っ張っている。
実は地区シリーズを終わって(3勝1敗でツインズに勝ち)、日本時間の17日朝にリーグチャンピオンシップの第三戦が終わったところです。なんとなんと。松井は本人もビックリの素晴らしい活躍。地区シリーズの4試合とリーグチャンピオンシップの3試合通算で打率5割。地区シリーズでもハンターに助けられたホームランがあったが、チャンピオンシリーズの第三戦(ボストンでの)で、第一打席と第六打席にライトと右中間にホームラン。何とこの日は6打数5安打5打点。この段階でトーリ監督は松井についてこう言っている。
"Last year it was trying to get a feel for it," Torre said about Matsui. "This year we see a different hitter. He's cool under pressure; that's probably the most important ingredient. He never gives away an at-bat. Right now, knock wood, he's huge for us."「去年は大リーグの感覚を掴もうとしていた。今年は彼は違うバッターになった。彼はプレッシャーを受けても冷静だ。多分それがもっとも重要な(松井成功の)要因だ。彼は一打席も無駄にしない。今は knock wood であり、彼の存在は我々にとって限りなく大きい」と。なんでしょうね knock wood って。まあ彼が言いたいことは分かる。
松井の一試合5打点は、チャンピオンシリーズの第一戦でもそう。3試合で打点10。こりゃもう素晴らしいの一言でしょう。
私が嬉しいのは一見無愛想なシェフィールドが松井が活躍したときに、心からそれを喜んでいること。あの無愛想な彼が、松井に抱きついて喜んでいたのは、地区シリーズでサヨナラ犠打を打ったときかな。ヤンキースはワールドシリーズにあと一勝のところまで来ている。
★2004年、松井は「不完全燃焼」で終了(2004年10月24日記)
松井の2004年がこんな形で終わるとは、予想もしませんでした。一週間前に絶好調の松井を報告。その時ヤンキースはボストンに対してアメリカン・リーグ3連勝。米大リーグでリーグ・シリーズ3連勝の後にペナントを握れなかった例はなかったのです。つまり、3連敗したチームがカムバックした例はない。
ところがボストンはそれをやった。あとで出てきますが、第4戦、第5戦ともオルティーズのサヨナラ打で敗戦。流れは完全にボストンに。特に第7戦など力無くヤンキースは負けた。松井の残した言葉は、「不完全燃焼」。そりゃそうでしょう。彼は去年はまだこの季節野球をやっていた。野球小僧の松井は、誰よりも長く野球をやっていたかったはずだ。
松井としては、対ツインズ、対ボストンのポストシーズンは素晴らしかった。打率は4割を越し、HRは3本、打点は10数。ボストンに第4戦でも第5戦でも勝っていれば、シリーズのMVPは松井に間違い有りませんでした。しかし彼はワールド・シリーズの前にロッカーを片づけざるを得なかった。
彼は10月24日の朝日新聞に2004年を振り返って語っている。2003年を上回った成績に関して「投手対策は1年目の経験を生かせた」と。細かくは語っていないが、例えば対ボストン第三戦の先発アローヨに対してHRを打ったことに関して、「アローヨという投手に対する自分なりの対策がある」と述べている。つまり、彼は2003年一年間いろいろな投手に対して、それぞれの複数対戦の経験を生かして「自分なりの対策」を立てたのでしょう。その成果があったから2004年のシーズン(30本超のHRと打率298)と、2004年のポスト・シーズンがあった。
しかし、彼のチームは負けた。また来年ですな。以下に10月21日、10月22日にday by dayのコーナーに書いた文章がありますから、それを掲載しておきます。トーリ監督の「シリーズの流れの変わり目」に関する解説が面白い。この過去に例のない、ヤンキースにとっては屈辱的な敗戦にもかかわらず、スタインブレナーはキャッシュマンGMの続投を命じた。
来年はどうチームを建て直してくるのか。ロドリゲスやシェフィールドが入って、松井の2004年は7番とか6番で始まった。それがポストシーズンでは対ツインズで外れただけで、あとの10試合はすべて4番で先発。松井の2004年は、凄まじい前進だった。その彼が2005年は何をしてくれるのか、HRももっと増えそうだし。楽しみです。

2004年10月21日(木曜日)
(17:07)クレメンスとヤンキース打者の対戦を見たかったな。最初にヤンキースが負けちゃいました。ロドリゲスもシェフィールドも輝きがなかった。バスケスは打たれ過ぎ。逆にボストンは今まで打てなかったベルホーンやデーモンが大活躍。流れが変わっちゃったんですな第四戦で。しかし、やはりMVPはオルティーズ。
ヤンキースの選手の心の中でも、第三戦を終わった段階で「このままじゃ面白くない」という気持ちがあったのかもしれない。ボストンに一勝くらいさせたい、と。いや潜在的にですよ。しかし実は第四戦からヤンキースの打線は湿り気味だった。だから、あの9回をリベラが抑えていれば、と言ってももう遅いですな。
第7戦は松井は全て先頭打者で登場した。4回とも。4番打者にこれは珍しい。ということはシェフィールドで打線が切れていたと言うことです。松井は4−2(二塁打とシングル)でしたから、彼の前に打者が貯まっていたら展開は違った。
でもアメリカのアナウンサーの解説を聞いていると、「incredible」が何回も出てくる。日本シリーズでは最近でも巨人が3連敗のあと4連勝したケース(相手は近鉄だったかな)がある。しかしアメリカではそれがなかったそうで、「メジャーリーグの歴史を作った」とアナウンサーが叫ぶ事態となっている。
ま、ボストンはチーム構成が多彩だということが言える。ウェイクフィールドはナックルの面白い選手で、チームに独特のカラーを与えている。ロバーツは沖縄出身のお母さんが日本人だと思ったが、ボストンの「small baseball」(こまかい野球)の立役者。
しかし今季について言うと、ダイヤモンドバックスから来たシリングの存在が大きかった。第六戦の戦いは見事。ヤンキースの打線が湿っていたこともあるが、右足に出血しながらの好投。相手がどこ(カージナルス、アストロズ)になるか知らないが、ボストンが1918年以来のワールドチャンピオンになって、バンビーノの呪いを解くかどうかが最大の焦点か。ワールドシリーズは日本時間の月曜、アメリカ時間の日曜日から。ま、かなり興味は減ったが、関心事ではある。

2004年10月22日(金曜日)
(12:07)敗軍の将、兵を語る...。どこかの雑誌の連載記事のようですが、ボストンに負けたニューヨークのトーリ監督がヤンキースタジアムで記者会見したそうな。そして記者から、「シリーズの流れが変わったのは」と質問された。それに関する記事が日経のネットに昼前に載った。興味深く読みました。実は私もそう思っていたので。この記事を引用すると
3連勝の後、4連敗を喫した同監督は「勝負の分かれ目は」と問われ、逆に「どこだと思う」と報道陣に問い返した。第4戦の九回無死一塁に許した盗塁などを指摘するいくつかの答えにいずれも「違う」と答えた。結局、同監督が挙げたのは、第5戦の六回二死満塁、松井秀の打席だった。そうなんですよ。あの低いライナーが右中間を抜けていたら、ヤンキースには3点入った。ツーアウトですから、ランナーは一斉スタート。試合は第四戦の流れがボストンのそれだっただけに、第五戦での松井の打球が抜けていればヤンキースに戻ったと思う。それが、トーリの言葉で言えば「守備がそれほど評価されていない選手」、具体的にはニクソンだと思うが、変な形でダイビングキャッチした。「ペドロ(マルティネス)を相手に4―2とリードしてマツイが右中間にライナーを打った。守備がそれほど評価されていない選手がそれをダイビングキャッチ」とプレーを説明してから続けた。「あれがなければ、と言うつもりはない。ただ振り返って何が大きかったかと言えば、あのプレーが勝負の分かれ目になる」と話した。
なければ、7−2でヤンキースリードになった。そのまま勝てば、ヤンキースは4−1で優勝、松井はMVP。まあ今から何を言っても始まらない。クレメンスのアストロズも破れた。この週末は面白くない。
でも一つ言うと、シリーズの各打者の中で松井がヒットになるならないに関係なく、一番ライナーを打っていた。つまり、一番バットの真で球を捕らえていた。だから、「進化する松井」の来年は期待できると思う。トーリもこのシーズンオフは、「チームを多彩にすること」に励んで欲しいと思う。キャッシュマンさんにもお願い.....。
ところで、この日本の新聞記事に相当する部分の英語の記事をニューヨーク・タイムズに見つけましたので、それを掲載しておきます。
At a news conference yesterday, Torre was asked if there was any moment in the series that struck him as a turning point. He laughed and asked the reporters to guess.この記事ですが、一定時間(多分2週間)が経過すると読めなくなります。Kevin Millar's leadoff walk against Mariano Rivera in the ninth inning of Game 4, with Boston trailing by a run and just three outs from elimination? Dave Roberts's subsequent stolen base, which put him in position to tie the score? Tony Clark's double late in Game 5, which bounced into the Fenway Park stands for a ground-rule double and kept a Yankees runner from scoring the go-ahead run? Alex Rodriguez's mindless karate chop of Boston pitcher Bronson Arroyo on a tag play in Game 6, a violation of the rules that ended with Rodriguez being called out and a Yankees rally being squelched?
Torre took suggestions until somebody mentioned the sixth inning of Game 5. Derek Jeter had given the Yankees a 4-2 lead with a three-run double off a fading Pedro Martinez. Now Martinez had to face Hideki Matsui, then the hottest hitter of the series and a nemesis of Martinez, who, as in other instances, remained in the game despite a mounting pitch count.
"We had Pedro on the ropes," Torre said. "We were ahead, 4-2. It was two balls, one strike to Matsui with the bases loaded, and he hit a line drive to right-center field and someone who they normally take out for defense made a diving catch. That sort of sits and says, 'That's not a good sign.' That, to me, was the key."
If the ball had gotten by Trot Nixon, the Red Sox right fielder, the Yankees probably would have taken a 7-2 lead and cruised to victory in a game that would clinch the series. But Nixon caught it, and the Yankees did not score again for 15 innings.

