<禁則―Cyberchat>

 「禁則」って、ご存じですよね。「、」や「。」が印刷画面の左に来ないようにすること。禁則ができていない文章は、内容が良くても、どこか汚い。

 私がワープロ(NECの文豪8Nという機種で今でも動く)を使い始めたのは1983年くらいですが、むろん当時から「禁則」の機能はついていて、最初からそれで文章を書いていました。だから、会社の書類で今もって「禁則」すらできていないものが上がってくると、それだけでどこか文句を付けたくなるのですが、今日の話はそこがポイントではない。

 インターネットで各ページをサーフィンするようになり、日本語の文章と遭遇して最初に思ったのは、この「禁則」が全く無視されていることでした。「なんてだらしのない奴らだ....!」。英語の文章は全部綺麗に禁則されているぞ........

 さて自分でサイトを持つ段。もともとHTMLが賢い言語であるとは思っていませんから、一行の文章の字数を計算して、左端が「、」「。」にならないように.....と涙ぐましい努力。形容詞を入れたり、助詞を変えてみたり。

 そして、できましたねこれが。いくつかのでページで。HTMLをネットスケープの上に置いて作品を見ても、綺麗に結果的に「禁則」ができている。「やっぱり俺は違う.....」と。

 しかし、FDに入れているHTMLを自分のラップトップ・コンピューターの中で見た時に、愕然としました。あれほど苦労して「禁則」したはずなのに、みっともない「、」「。」が左側にちらほら。「ど〜してだ〜」。

 最初は、「もう一回やり直しか...」と思いました。しかし、ハタと気がつきましたね、行字数が違うんだと。デスクトップとラップトップでは、モニターの大きさがまず違う。当然、どこで折り返すかは違ってくる。

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 もともと「WINDOWS」は一つ一つの「窓」の大きさを自由自在に変えられるのが特徴。あ〜あ、古いワープロ、定型文書とは違うんだ。

 というわけで、私のホームページで使うすべての文章について、結局の所「禁則」を念頭に置かないやり方で作りました。読む人が、横何文字でモニターを見るかは想像の範囲を超えているからです。

 それにしても悔しいですね。英語などで簡単にできていることが日本語ではできないなんて。表意文字と表音文字の違いでしょうか。表音文字はつながりで一つの意味を持ちますから、コンピューターもそのつながりを直ちに理解できて、つなげられる。綴りを自動的に修正するなんてのも簡単です。

 日本語は、同音異語が山ほど。コンピューターが日本語の文章の前後関係でどの意味が正しいかを正確に理解できるようになるには、えらく時間がかかりそうです。私のように、文章の中で同音囲碁、おっと「異語」で遊んでしまうような人間もいる。でも、日本語でもいつか出来そう。           (ycaster 96/06/03)


 この文章を書いて以降に出たインターネット・エクスプローラーの2.0以降では、ブラウザが「禁則」を処理できるようになりました。しかし、ネットスケープは3.0の段階で依然として日本語の「禁則」に対応していません。(96年12月13日)

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